■企画
7月23日(水)
日系社会最大のお祭りがやって来る――。ブラジル日本都道府県人会連合会(中沢宏一会長)が主催するフェスチバル・ド・ジャポン(日本祭り)が二十五日から三日間の日程で開催される。昨年に続き会場となるイビラプエラ公園横の州議会駐車場を会場に、日本各地の郷土料理や郷土芸能など「お国自慢」の名物だけでなく、日本文化を紹介するブースなども数多く並ぶ。吉加江ネルソン実行委員長は「五年後の百周年には名実ともに日系社会を代表するイベントに」と過去最高の三十万人を動員した昨年を上回る規模にと意気込みを見せる。
六回目となる今回の期間中には、戦後移住五十周年記念式典や七夕祭り、高知や岩手などの創立記念式典も予定されていることから、日本からの来賓も数多く参加。
芸能の部では、岩手県からの慶祝団が伝統芸能の鹿(しし)踊りや民謡を披露。また、パラグアイのピラポ移住地にある岩手県人会が鬼剣舞で花を添える。
また、演歌歌手の井上祐見も登場する。福井県武生市の日本民族衣裳源流会が提供する「十二単」にも注目だ。
毎年お馴染みの芸能部門では、福岡県人会が普及に務める「川筋太鼓」や、先日大成功を収めた「YOSAKOIそーらん」を披露する団体が目立つのが特徴でもある。
例年、ラジオニッケイが実施していた「ミス着物」に代わって、今年から県連がミスコンテストを実施。選りすぐられた十六人の美女が、日伯往復の航空券をかけて美を競う。
祭りの目玉でもある食部門にも変更が見られる。「出来るだけ郷土食にこだわりたい」との吉加江実行委員長の意向を受け、過去最多となる三十六県人会と希望の家など五団体の計四十一団体が「お国自慢」の料理を提供する。
北は北海道のイカ飯に始まり、沖縄の沖縄ソバまで各地の名物を楽しめる。秋田のキリタンポや愛知の味噌串カツ、長野の野沢菜漬、福井の越前おろしソバ、三重の手こね寿司、和歌山の小鯛寿司、鳥取の大山おこわ、熊本の辛子レンコンなど日ごろ、ブラジルでは味わうのが難しい料理は人気を集めそうだ。
甘党には青森のリンゴ羊羹、非日系にも大人気の福島と佐賀のアイスクリームてんぷら、福井のボーロ、奈良のくずもちとあんみつ、鹿児島のかるかん饅頭が待っている。
左党には秋田の日本酒「高清水」と東京の生酒も用意されている上に、酒をベースに作った福井の「サケピリーニャ」も楽しみだ。
日本文化を広くブラジルに紹介しようとサンパウロ総領事館(赤阪清隆総領事)も初めてブースを出展。
さらに海外から初参加となるパラグアイのイグアスー移住地とブラジル農協婦人部連合会などが合同で「ブラジル人の食にもっと大豆を」のキャンペーンを実施する。
期間中の二十六、二十七日にはリベルダーデ区で七夕祭りも開催されることから、来場者の相互乗り入れを図ろうと、県連ではメトロのリベルダーデ駅付近から会場までの臨時バスを運行する。会場付近には駐車場が限られ、路上駐車を余儀なくされることから吉加江実行委員長は「なるべくバスを利用していただきたい」と呼び掛けている。