7月24日(木)
【フォーリャ・オンライン二十三日】中央銀行の通貨審議会(COPOM)は二十三日、基本金利(SELIC)を年利二四・五%に引き下げると発表した。産業界などの金利引き下げ要求に、中銀が配慮した措置とみられている。
これは六月の物価指数がデフレ傾向を表示したことで、COPOMは金利の引き下げに踏み切ったものだ。地理統計院(IBGE)調査の消費者物価指数(IPCA)によるインフレ率は六月、マイナス〇・一五%を示した。
ジェットゥリオ・ヴァルガス財団(FGV)の市場物価指数(IGP-M)では、同月マイナス一%となった。サンパウロ大学経済調査院(FIPE)の消費者物価指数(IPC)では、同月マイナス〇・一六%であった。
政府の緊縮財政はインフレを抑制したが、産業経済全般をも落ち込ませた。IBGEの統計では、五月の工業生産は昨年同月比で〇・三%減、求人率は昨年同月比で〇・六%減と落ち込んでいる。
全国工業連盟(CNI)は、産業界の数カ月の見通しについてカオス状態に突入したと発表した。需要の減少、生産原価の増加が市場価格に上乗せできないこと、期待していた下半期の景気回復は、全く望みがないことなどを挙げた。
たとえ消費が回復しても企業は大量の在庫を抱え、在庫の整理が終わるまで工業界の回復は期待し難く雇用の回復もないと、CNIは報告した。それに政府は銀行の強制供託金を六八%に引き上げたので、市中銀行には融資のための資金が枯渇している。折角の金利引き下げも、短期には効果を期待できないと発表した。