7月24日(木)
政府は限られた予算を効率よく使うため、民間資本から顧みられなかった部門へ集中的に投融資することを決定した。政府が考えているのは、インフラ整備として道路や病院などを民間企業が建設し、政府が賃借するというもの。二〇〇四年から二〇〇七年にかけて経済復興の景観を見せるというのは、これのことらしい。
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ヴァリグ航空とTAMの合併で航空業界の市場独占がうわさされているが、政府は独占禁止法を適用しない方針という。将来、外資系の航空会社が参入する場合に備え、シェア拡大と市場確保が重要とみている。ほかに市場独占をしているAmBebには、ビールの輸入税を下げ、安くて美味しい外国のビール輸入を検討中という。
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失業者の増大によりリサイクル廃品回収人が急増、町中を荷車を引いて歩く人の数も増えた。回収量が急増したため、回収価格も暴落しているらしい。不景気のため親会社の注文も激減しリサイクル企業は、原料滞貨の山を抱え生産調整をしている。サンパウロ市中心部では容易に廃品が集められるので、月収七百レアルになり、廃品回収人が続々中心部へ集中している。
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中銀の通貨審議会(COPOM)が二十二日から行われた。関係者の予想では、二%ぐらい基本金利を引き下げるとみていた。しかし、経済成長を促すには金利水準が、まだ高いので政府は産業振興の補足案を打ち上げる必要がある。工業設備の稼働率を上げないと、新規投資の不足が直ちにインフレを呼び戻し、対外収支を悪化させると憂慮している。