7月25日(金)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十四日】中央銀行の通貨審議会は二十三日、基本金利を二六%から二四・五%へ引き下げを満場一致で決定した。二カ月連続の引き下げで、金融政策の重点をインフレ抑制から景気回復へ移す中銀方針を明確に示した。
消費者物価指数(IPCA)は六月、四年半ぶりにマイナスを示したものの、過去十二カ月間のインフレ率は一六・五七%。政府は今年のインフレ率を一〇・二%と予測しているが、目標上限の八・五%を上回っている。
国内総生産(GDP)は2四半期連続で前期比マイナスを記録、失業率も六カ月連続で悪化、産業界を中心に追加利下げを期待する声は強い。しかし、中銀は八月への傾向や銀行の供託率には触れなかった。
サンパウロ州工連(FIESP)は、インフレ率がゼロを割ったことで企業の資産状態が脆弱化するとともに失業率の増大を憂慮するとした。景気は、さらに悪化する見通しと発表。企業にとって一・五%の利下げは、金融コストに変化はなく、気休めに過ぎないとした。
リセッションのがけ縁にある産業界は、中銀の今回利下げにいら立ちをもっている。青息吐息の企業に歯止めを掛けるもので、不景気を深刻化させると抗議している。アントニオ・E・モラエス氏は、目薬が少なすぎるといった。
パロッシ財務相はインフレも基本金利も下がり、経済指標は向上していると楽観的だ。財務相は、基本金利は年末までに二一から二二%に低下するとの見通しを示した。