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■マルフ夫妻をパリで拘束=預金で聴取受ける=夫人口座に145万ドル振り込む

7月26日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十五日】元サンパウロ州知事、元サンパウロ市長の肩書きを持つパウロ・マルフ氏(PP=進歩党)が二十四日、滞在先のフランス・パリで、クレディ・アグリコル銀行の同夫人名義の口座に振り込まれた百七十三万八千ユーロの預金について、マネーロンダリングなどの金融犯罪を監視監督する同国の特定金融情報局Trafinで七時間にわたって事情聴取を受けた。
 同銀行ジョージ五世支店長が、マルフ夫人の口座の預金額をTrafinへ通知し、マルフ氏と妻のシウヴィア・マルフさんは警官に当局本部へ連行され、身柄を拘束された。
 この口座は一月にマルフ夫人の名義で開設され、四月十六日に百四十五万五千三百二十一・五ドルが振り込まれた。同氏は預金を、マルフ家代々の遺産と、サンパウロ市ヴェルゲイロ街の一万四千平方メートルの不動産の売上金だと説明している。
 一方マルフ氏は、警官の身柄拘束説を否定し、自ら金融管理局へ向かったと言明。「再度必要ならば、その金に関するすべての情報を報告する準備はできている」と述べている。
 フランス側の情報では、ヨーロッパでのマルフ氏の金融動向はTracfinによってすでに捜査されていたという。
 クレディ・アグリコル銀行に振り込まれた預金の出所のルートは二つあるとみられている。
 一つは、ケイマン諸島のクレジット・ナショナル銀行の支店から三月から六月にかけて分割で振り込まれた百四十五万五千ドル。
 もう一つは、マルフ氏の息子フラーヴィオ氏がリヒテンシュタイン(ヨーロッパのタックスヘイブンで知られる)で創設したブラックバード財団によって振り込まれた三十万ドルとされる。
 ブラックバード財団は、スイス・ジュネーブのベアリングス銀行に口座を持つ。資金の出所は明らかではなく、フラーヴィオ氏の所得税申告書にも同財団を所有するという内容は記されていない。
 マルフ氏はフォーリャ紙の電話インタビューに対し、「わたしの人生は開かれた本のよう。わたしはまっとうな人間だ」と言明。「事情聴取には自らの自由意志で応じた。銀行側に資金の出所を疑われたのは不本意だが」と話した。またエスタード紙は、同氏が「自分がクレディ・アグリコル銀行の総裁だったら、あの支店長をクビにしていた」と述べたと報道している。