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■NHK取材=帰国子女の揺れる思い=「ブタ汁とからかわれた」

7月26日(土)

 NHK教育番組『中学生日記―心の旅inブラジル』の撮影班が、先週サンベルナルド・ド・カンポ市のアルモニア学園を訪ね、日本から帰国して間もない十一歳から十八歳までの生徒七人を取材した。七人はいずれも滞日経験が十年前後と、ブラジル人でありながらも、〃日本人〃として生きてきた子供たちだ。思春期に人生の転機を迎えた彼らの揺れる思いを探ろうと、NHK名古屋支局の若井俊一郎ディレクターが日本での学校生活や、将来について質問した。
 『中学生日記』では三年前に、転校してきた日系生徒がいじめられるという設定で番組を制作したことがある。インタビューを前にビデオでこの話を鑑賞した七人は「自分たちはいじめられたことはほとんどなかった」と口を揃えながらも、悪口を言われた経験はあると明かした。「インディアンは手でごはんを食べろ」、「ブラジャー人、ブタ汁人とかとからかわれた」
 これに対し、一人の生徒が「日本の学生は幼稚だと思う。ブラジルではいじめなんかない」。そう主張すると、残りもうなづいた。
 若井ディレクターはこのほかに日本の学校の嫌な点について質問すると、真っ先に挙げられたのが、先輩後輩の上下関係や厳しい校則。「ブラジルでは年の差があっても友人」、「こっちは通学服も教室での席も自由」などとその事情を紹介していた。
 ただ、将来について問われると、「できれば日本に帰りたい。いろいろな物があるし、友人も多い。それに治安もいい」とする意見が圧倒的で、自分の生きるべき国はどっちか、悩み揺れる思いが伝わってきた。
 番組はブラジルでも放映される予定。通常の『中学生日記』は毎週日曜日午前六時十分から、国際放送されている。