7月29日(火)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十六日】サンパウロ市の脊髄(せきずい)損傷者が障害者となった原因は、銃弾によって脊髄を傷つけられたケースが最多で、交通事故による脊髄損傷件数を超えている。被弾は、顔面麻痺や脳障害、腕や脚などの切断の原因にもなっている。
脊髄損傷者のほとんどは、強盗、誘拐事件やけんかに巻き込まれたり、流れ弾に当たったりして負傷した。小児身体障害者保護協会(AACD)で介護されている下半身不随、全身不随の身体障害者は、約半数が犯罪事件の被害者だという。
ブラジルでは現在、毎年約七千人が下半身・全身不随患者になっている。うち三二%が被弾によるもので、一九%は交通事故の被害者である。米国では、四五%が交通事故によるもので、被弾で不随になるケースは一五%にとどまっている。
慈善団体AACDでは、年間百九十人もの被弾による脊髄損傷者を応対している。現在、治療待ち期間は四カ月に及び、約二百八十人もの下半身・全身不随患者が入院を心待ちにしている。
AACDリハビリセンター理事長で整形外科医のアントニオ・カルロス・フェルナンデス氏によると、一九八五年には、不随患者の四五%が交通事故で脊髄を損傷したケースで、被弾によるものは二五%だった。だが昨年は交通事故が三〇%なのに対し、被弾は四七%と上回っている。
サンパウロ州連邦大学(Unifesp)に付属するリハビリサービス機関のサンフランシスコ家庭学校(Lesf)の状況も非常によく似ている。脊髄損傷者百七十一人のうち、被弾ケースは三〇%に達した。一方交通事故によるものはわずか九%だった。
Lesfのテレジーニャ・R・シャンリアン医師によると、被弾者の三四%が強盗事件によるもので、平均年齢は三十五歳。「犯罪は、公共保健を脅かす深刻な問題と化している。被害者の多くが、仕事盛りの時期に被弾している。国民に銃規制を呼びかける必要がある」と、同医師は訴える。
サンパウロ大学付属クリニカス病院リハビリセンターのデータでも同じ結果が出ている。脊髄損傷者二百二十人のうち、二九%が被弾、一八%が交通事故によるものだった。