7月29日(火)
【アゴーラ紙二十六日】下院議員たちが、連邦政府が提案した新年金制度の承認に向けて変更点を議論している間に、国立社会保険院(INSS)の赤字は増え続けている。
今年上半期のINSSの赤字は前年同期比で一六・六%増加し、九十六億レアルに達した。年金掛け金徴収総額三百六十一億レアル(前年同期比六%減)に対して、年金支給総額は四百五十六億レアル(同比二%減)だった。同赤字額は九四年に赤字に転落後、最高となった。INSSの〇二年度の赤字は百七十億レアルとなっている。
赤字の主な原因は年金掛け金徴収総額が前年同期比で六%、額にして二十三億レアル減少したことによるとシュワルゼル社会保険局長官は話す。六月だけで年金支給総額は掛け金徴収総額を十八億一千万レアル上回った。
同長官によると、赤字増加の原因の一つは労働市場の脆弱性だという。「たとえ掛け金を支払う正規労働者数が増えても、インフレによって実質給与は下がってしまっている」。また、多くの企業が経済の低迷で経営が困難に陥り、年金掛け金徴収をやめつつあるとも述べた。「生き残りと掛け金支払いの二者択一で、企業は生き残りを選び、INSSへの支払いを遅らせている」。
社会保障省は民間企業で働く労働者の掛け金支払い分の赤字は今年末に二百六十一億レアルに達すると予測する。同省はGDPが二%から三%へ増加するだけで、年金財政は改善すると分析している。