7月29日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙】温室効果を通じて地球温暖化を引き起こし、生態系を脅かす原因となる二酸化炭素の排出を削減するため、九七年に結ばれた国際協定・京都議定書の発効に向けた、ブラジル国内の対応が遅れをとっている。
同議定書の原案となった、九二年の国連地球環境サミットの議定書に最初に調印したブラジルは、昨年まで地球環境問題についてリーダーシップを発揮してきた。しかし、京都議定書の内容の国内法制化に向けた政府の対応遅れは専門家と企業家たちをいら立たせ、最近になって、発展途上国の中で最も法制化が進んでいる国はチリとなった。チリは二酸化炭素排出量削減を受け入れた最初の発展途上国として、六月に世界銀行から「歴史に残る功績」と評価された。
最貧国の温暖化防止計画に財政支援を行うことで、「二酸化炭素削減」の義務を負う先進国が二酸化炭素など、大気汚染物質の削減量の一部を「取り引き」できる仕組みもブラジルが発案したものだった。同議定書に賛同し、二酸化炭素発生量を九〇年のレベルから五%削減しなければならない先進国が財政支援を行うことは、ブラジルの持続可能な発展のための重要な資金となるはずだった。
しかし、政府の交代により国内手続きは今年前半に停止した。国会は昨年京都議定書を承認したが、同議定書の取り決め内容を国内に適応させるシステムの細部規定がまだ定められていない。政府手続きが滞っている間に同協定の発効予定日が近づいてきている。発効にはロシアの議定書批准が必要だが、専門家らはロシアの批准が九月に行われ、同議定書は九十日後に発効すると予想する。
京都議定書を下院で承認させたガベイラ下議(PT=RJ)は、科学技術省が法制化の重要性を理解していない結果が国内手続きの遅れにつながっていると述べた。また民間部門も遅れに対して不快感を抱きつつある。同協定に基づかねばならない諸計画を実施に移すために国内法の制定を待つ企業家は多い。制定の遅れに伴う最大のリスクはブラジルの計画が外国投資家にとって魅力的でなくなることだ。明確な基準があってこそ、投資家らはブラジルとの二酸化炭素取り引きに安心感を持つのだ。