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経済回復法案を上程へ=経開審が45日で作成=緊急措置の効果に疑問も=募る自動車業界の不安

7月31日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙三十日】経済開発審議会(CDES)のタルソ・ジェンロ議長は二十九日、景気回復のための包括条令を四十五日で作成し上程すると発表した。リオデジャネイロ州の企業家を交えた同審議会が二十九日当地でも開催されたが、サンパウロ州のような議論百出はなかった。ブラジルゼネラル・モーター本社は二十九日、ブラジル経済の落ち込みから新規投資を見合わせ、一部は引き揚げを検討中と発表した。

 サンパウロ州のCDESに続き、リオ州で行われた同審議会でジェンロ議長は、四十五日間で景気回復のため一連の対策を講じると発言した。リオでは、特に基本金利の大幅引き下げや銀行供託金の低減、公共部門の黒字収支の是非が協議された。
 同議長は八月四日、パロッシ財務相とサンパウロ州とリオ州のCDESで指摘された三点について協議を行う。第一は、技術的判断と政治的配慮から基本金利の大幅引き下げを行う。第二は、インフラ整備と庶民住宅建設へ民間資本の起用。第三は、輸出環境整備のための為替管理などとされる。
 ジェンロ議長は、グラジエンテ社のスタウビ社長提案の為替率一ドル=三・三〇レアルから三・五〇レアルについては発言を避けた。財務相は十四日、同件に関する政府見解を提示する。CDESは現行の経済政策を基本的に正しいが、経済発展への具体的方策がなく片手落ちだと指摘した。
 一方、中央銀行のメイレーレス総裁は、基本金利の引き下げには「先のことについて発言はできない」と言及を避けた。ルールに従って中銀の機能を果たしているのであって、決定的な先約はできないと返答した。基本金利の大幅引き下げについて財務相は、検討を約しコメントを避けた。
 来伯中のルアルテ国際通貨基金(IMF)ミッション代表は二十九日、インフレは沈静し協定目標は達成、これからの見通しもよいとして基本金利の引き下げを容認する発言をした。
 またブラジルゼネラル・モーターのワイランド社長は二十九日、ブラジリアで一日から始まるブラジル自動車産業の国際競争力フォーラムに臨み、今年は同社がブラジルに進出して八十年間の中で最も経営難の年であったとし、今年の新規投資は見送り一部をブラジルから引き揚げるとの考えを明らかにした。
 同社の稼働率は六〇%にとどまり、毎月赤字経営を余儀なくされた。米国本社も経済動向を問題視しており、景気回復が見込めないなら新規投資は打ち切り、分野によってはブラジル市場に見切りをつけるという。
 自動車各社は、ブラジル経済に悲観的観測をしている。ルノー・パラナは、世界向け新型車の生産中止。
フォードは新型Kaを年末まで生産中止。いずれも投資に対する効果が見込めないことで、政府の小手先の経済政策ではなく、納得できる長期経済ヴィジョンを求めている。