7月31日(木)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙三十日】教育省は今週末までに、国家教育審議会(CNE)の意見書に従って、大学を卒業していない人でも幼稚園(六歳児まで)と初等学校(一~四年生のみ。日本の小学校)の教員資格を得られるよう、教員免許制度を変更する予定でいる。大学卒ではない幼稚園・初等学校の教員は昨年、全体の七二%に相当する七十七万二千五百人いた。一九九六年に可決された国家教育方針法(LDB)で、これらの教員は大卒資格を得ることを義務付けられていた。
大卒ではない教員に幼稚園・初等学校の教員免許状を与える案が出たのは、肝心のLDBに矛盾点が二つ見つかったからだ。
一つは第六二条。「幼稚園と初等学校の教員は、中等学校で教職課程を修了しなければならない」とある。もう一つは第八七条四号四項。「基本教育系の学校(幼稚園、一~八年生の初等学校)に就職できるのは、大学の卒業証書がある教員のみ」とあり、前記の条文と完全に矛盾していることがよく分かる。
この問題は物議を醸し、教育省は二〇〇〇年、「〇七年十二月からすべての教員は大卒証書なしでは教職に就くことはできない」と定めた。当時のパウロ・R・ソウザ元教育相は、教員のレベルの向上を図るには大卒証書の獲得を義務付けるのが一番だと考えていた。
だが、CNEの意見書に従って幼稚園・初等学校の教員に大卒証書なしでも免許状を出すことになれば、現役の教員らのほか、未来の教員たちも中等学校卒業証書で教職に就くことができるようになる。
大卒証書は、五~八年生の初等学校(中学)や中等学校(高校)の教員に義務付けられている。このレベルの学校で、現役教員として活躍中の人で大卒証書がまだない場合は、いち早く証書を獲得しなくてはならない。
大学にも教職課程があり、わずか二年間で免許が得られるが、この場合の証書は大学課程全てを終えた一般に言う大卒証書である。昨年度の中高校レベルの教員数は百二十六万九千百人、うち二十四万九千二百人が大卒証書なしの現役教員だと、国立教育調査院(Inep)は報告している。