7月31日(木)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十七日】ブラジリア連邦第一法廷のソランジェ・サウガード判事は二十三日、軍政時代にパラー州とトカンチンス州境のアラグアイア地方で起きた左翼分子の掃討作戦事件の再審理を裁可した。
事件は一九六六年から一九七四年にかけて、ブラジル共産党が左翼化を目指し、八十人の同志とともに同地方に立てこもったことで起こった。アジト本部を軍諜報部が発見し奇襲。十六人を殺害、六十一人が行方不明となった。生存者の証言によれば、拷問後全員殺害され遺体遺棄の場所は、いまだ不明だ。
政府は審理の対象書類が一切隠滅され、所在不明とした。犠牲者の遺族は、三十年にわたり遺骨の引き渡しと事件解明を要求。遺族の怒りが、エロイーザ上議をはじめPT過激派議員支援のもとに組織化されるのを、政府は懸念している。
また農地占拠運動(MST)や人権団体、年金改革反対派に政治的に利用され、PTが裏切り者呼ばわりされるきらいもある。これまでPTは事件の解明を求めてきたことで、同問題が政府の出方次第では泥棒に追い銭を与える結果にもなりかねない。
ゲリラの一員であったジェノイーノPT党首は、ジェラウドの偽名で同事件渦中の人物であった。本人は出来る限りの義務は果たしたと弁明するが、判事の再審理裁可は重大な事態と認識している。犠牲者の遺族からは、なぜ無事釈放されたのか疑問視されている。