8月1日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙七月三十一日】州司法官と検察官、労働裁、軍事裁代表は三十日、年金改革案の修正で議会と合意、八月五日に予定していたストを中止する決定をした。ルーラ大統領は連立与党の幹部会を招集、年金改革案の再修正を協議するが、これ以上の譲歩に難色を示した。州司法官らが要求した修正は、給与上限と改革案可決後の判事に対する全額年金の保証などとされている。
州司法官らは議会との交渉で年金改革案の修正にこぎつけたが、最終的には大統領の決断待ちとなった。最高裁のコレイア長官は、司法官がストを思いとどまるなら最高裁の役目は完了だが、ストを決行するなら年金問題は袋小路に入ると述べたのが効を奏した。
最高裁長官はクーニャ下院議長やPT幹部と会合し、ストを決行するなら議会も州司法官の注文に応じないと警告された。司法官協会のマシエル会長は、会話の糸口が設けられたことで司法府は背を向け続けるべきでないと折れた。
焦点となっている州司法官の要求事項は、州高等裁判事の給与上限を改革案で最高裁判事の七五%となっているのを九〇・二五%とすること。現在、最高裁判事の給与は一万七千三百レアルであるのに対し、州高等裁判事は二万レアル以上の給与を取っている。
最高裁長官は、最終的に議会で給与上限を表決して決定するのが最善であると述べた。司法官ストなどの圧力で、議会が屈することはないからだという。
大統領は三十一日、昼食にジルセウ官房長官など連立与党幹部十人を招き、州司法官の給料上限や年金について協議する。連立党代表らは上限七五%を修正すべきだとし、現状維持の九〇・二五%と八五%の二案あるようだ。大統領は原案以上の譲歩は、社会改革の意味を失うと評した。
各州の財政状態は厳しく、公務員給与へ上乗せが予定されていた特別手当は、全州で中止された。マラニョン州高等裁エテウビーナ・リベイロ裁判長の給与二万八千レアルは、一万五千レアルに減俸された。最高裁判事の九〇・二五%、ズバリとなった。
一方、州知事らは州司法官の給料上限九〇・二五%だけが、頭痛の種ではないとしている。検察官や検事、判事間の給与の均衡から州財政の混乱など数々の難問を年金改革が持ち込むと懸念している。アラゴアス州のレッサ知事は、こんな改革案が可決されるなら東北伯の小州は財政破たんすると、大統領に直訴した。
同知事は年金改革を財政責任法を無視した狂人共のお祭りだと評した。ブラジルは、三権だけでなく検察庁も入れて四権あると皮肉った。州は上級職数人の調整をするたびに州公務員全員の給与調整をするので特別出費を計上、余裕のない州財政には重荷だと訴えた。