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正念場の司法官給与調整=大統領 譲歩に反対

8月2日(土)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙一日】連立与党幹部は七月三十一日、政府が司法官への譲歩を拒否し、年金改革の修正容認を認めないなら、下院本会議で政府は惨敗を期すと、ルーラ大統領に忠告した。
 最後の焦点となったのは、州地方裁判事の給与上限の設定となった。原案は州判事の給与上限を最高裁判事の給与の七五%となっている。しかし、最高裁判事よりも高給をとる州判事は多数いる。政府基盤が脆弱なため余儀なく不当な譲歩をしたとしてこれ以上の譲歩に、大統領は抵抗した。
 連立与党十人は、ジルセウ官房長官公邸の昼食会に招かれ、州判事の給与上限を九〇・二五%とする案に合意することで全員意志表示をした。代表十人は賛成票を投じるが、残りは全員反対票を投じるのは明白と、連立党代表は述べた。
 下議百五十人は弁護士稼業も営んでおり、州判事とは同じ穴のむじなだという見方だ。年金改革は表決を目の前にして、のどに飛び込んだハエのために吐き戻すわけにいかないと述べ、司法官は年金改革の障害物だとした。大統領はサッカーに例え、十五分の延長戦にあり、後半の二十五分目の八月四日で決着をつけると語った。
 最初に譲歩した人が、最後に馬鹿をみるのが交渉の原理だと、大統領は述べた。サンパウロ市は職員の給与調整で最初に譲歩したので、現在の体たらくを起こした。連立与党幹部は交渉下手で、下院法制委員会の議会工作でドジを踏み連立与党歩調の乱れで馬脚を現したと、大統領は評価した。