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「長寿」を長野県に学ぶ=ブラジルは無関係?か=元日本一の沖縄県

8月2日(土)

 沖縄タイムス紙が、さきごろ「長寿は長野に学べ」と社会面トップ記事にした。長寿県・沖縄の男性の平均寿命が二十六位に急落した(厚生労働省統計)のを受けて、沖縄県から長野県に視察・調査団を繰り出したというのである。ブラジルに来てしまえば、沖縄県(人)とか長野県(人)とかうんぬんしても、意味がないではないか、という言い方もあろうが、日本でのことが、気にならないでもない。それと、寿命を飛躍的に伸ばした長野県を見習えば、健康上いいに決まっている。
 沖縄県は、県長寿社会対策室を持っている。長寿県として脚光を浴びる長野県の取り組み方を学ぼうとする姿勢が同対策室のなかにある。長野県は、かつて脳卒中の死亡率では日本国内でもトップクラスだったが、三十年以上にわたる食事改善運動などの健康づくりで平均寿命を延ばしてきた。現在では男性が一位、女性が三位。
 男性のそれが二十六位に転落した沖縄県内の自治体関係者、栄養士らも、長野全県で繰り広げられている健康推進運動に着目、現地に視察団を送ったり、実態調査を行ったりする。
 食生活に焦点をしぼると、長野県では、野沢菜などで代表される塩分の多い食生活が災いし、一九六五年ごろは、脳卒中の死亡率は全国ワースト(最悪)。その後、三年ごとに食事の実態を調査し、住民総ぐるみで減塩運動に取り組んできた。結果、脳卒中による死亡者を大幅に減少させたのだった。
 沖縄県の浦添総合病院(浦添市)の検診センターは、長野県との食生活の比較調査を始めている。検診者の一週間の献立や外食回数、脂肪の摂取量など実態を調べ、比較するのだ。予備的な調査では沖縄県民のほうが、揚げ物など脂肪摂取が過剰になっている傾向が出ている。
 久保田友一郎センター長は「生活習慣病などの要因は、油ものの食べ過ぎが原因。長野の結果と対照し、実態を浮き彫りにしたい」と語る。
 長野県内では、現在、同県百二十市町村で一万四千三百人の保健指導員が巡回指導している。至れり尽くせり、かゆいところに手が届くという状況だろう。その結果、全国トップの平均寿命だが、医療費は全国一安い。食生活の適正化の重要さがここにある。
 ――長野県の状態をブラジルにも、というのは「無いものねだり」。だが、沖縄の(男性の食生活の)現状をブラジルに置き換えてみれば、類似点はあるし、「長野に学ぼう」という気にはなるはずだ。大要は、食事から塩と脂肪分を減らせ、である。もう、耳にタコができるほど、聞いてきたことだ。ブラジルでは和食をしても、食生活は塩、脂肪過剰になりがち。長野のようになるのはたいへんだ。