8月5日(火)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二日】ブラジリアの国立社会保険院(INSS)本部に二日早朝、年金改革への抗議でストライキ中のINSS職員約三百人が、同院総裁との会談を求めて詰め掛けた。その後、スト職員代表の十八人がビル内部でろう城。連邦警察の特殊グループは同日午後、催涙弾などを用いてスト職員らを強制的に追い出した。十五人が負傷。スト職員らと一緒にいたエロイーザ・エレーナ上院議員(PT=労働者党。以後、HH上議)も警官たちに立ち向かったが、外へ引きずり出された。拘束された人はいなかった。
同午前七時三十分ごろにINSS本部を訪れたスト職員らは、タイチ・イネナミINSS総裁に面会を拒否された。それに対しスト職員らは、同総裁が本部ビルから出るのを阻止し、本部職員らがビルに入るのも妨害した。
軍警がスト職員を抑えようとして実力行使。INSS総裁は、「そういう態度をとるなら、こちらも厳しく対応する。官房の命令は『交渉に応じるな』だ」と憤った。その後、スト職員代表の十八人がビル内部へ侵入、ろう城した。だが代表らは、「中に入るよう招かれた」と侵入事実を否定している。
フォーリャ紙は、ジョゼ・ジルセウ大統領府官房長官が同午後零時三十分ごろ、パウロ・ラセルダ連警総理事に電話し、スト職員らの強制退去を依頼したとみている。イネナミ総裁は同午後五時ごろ、スト職員らに「ジルセウ長官と会談する」と述べ、同ビルから出た。
同日午後六時三十分ごろ、連警刑事二人と、連警エリート部隊の戦術作戦専門コマンド(COT)の隊員十五~二十人がINSS本部ビルに到着した。
HH上議は、スト職員らと総裁室の前で総裁を待っていたが、同総裁の帰り時間が迫ったためガレージまで降りてきていた。その時、連警警官らはガレージ入り口から催涙弾を二個投じ、作戦を決行した。
連警に手足をつかまれた女性スト職員が外へ出されるのを阻止するため、HH上議は同職員の上に覆い被さった。それでも二人は引きずり出された。同上議は、「警官に暴力を振るわれた後、外へ引きずり出された」と証言している。
ブラジリア連警のスポークスマンは、警官の作戦に「ゆき過ぎはなかった」と言明。INSS本部ビル内にスト職員らがろう城したため、COTは「公共の建築物の所有権を守るために出動した」と説明している。