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遺伝子組み換え食品400種=20年前から市販

8月5日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙三日】生物検査協会(ANBIO)は二日、遺伝子組み換え(OGM)商品は二十年前から市販され、現在は四百種類が市民の卓上にあがり常食されていると発表した。
 ブラジルで最初に導入されたのは一九八二年、糖尿病患者用インシュリンでOGMを行ったバクテリアによって培養された薬剤であった。それ以前は牛や豚で培養していたが患者にアレルギーの問題が生じ、人間の遺伝子とバクテリアで組み換えを行って目的を達した経緯がある。
ビタミンCやエイズ抑制剤などの薬品をはじめ人工血液、ビール、チーズ、食パン、清涼飲料水、甘味料などのほか、人命にかかわることなど広範囲にOGMは利用されている。
 特に骨髄移植などの臓器移植では、OGM技術は欠かせない重要な医療技術となっているとがんセンターはいう。血液凝固剤や血漿板の治療、人体生育ホルモン、B型肝炎の治療用ビタミン剤などではOGMが基礎であり、OGM抜きに考えることはできない。
 バクテリアのOGMで酵素を作る工業分野では、OGMは技術そのものとなっている。毎日着用する衣服の汚れには、分解酵素OGMが活躍している。チーズ菌は昔、牛を殺して胃液から抽出していた。現在はOGM技術により、良質のチーズ菌を大量生産する。酵母菌などを使う発酵工業では、OGMが根底となっている。
 OGM商品のレッテル標示法案が検討されている。しかし日進月歩の技術革新の今日、OGMのない商品を探すのに苦労する時代が、すでに到来している。