8月5日(火)
弓場農場のカゼイロ食品のファンは、今後ますます増えて行きそうだ。先月のジャパン・フェスティバル(日本祭り)では、兵庫県人会のブースで、すでに知名の味噌をはじめ、十七種目の農場製品を販売した。売れ行き極めて好調、弓場側も、客がどのようなものを欲しているか、実地でわかった。バレエとともに、弓場といえば「〃本物の〃食品」と、名が定着していく。
去る七月二十日、サンパウロ市のブラジル日本文化協会(文協)講堂とガルボン・ブエノ街で繰り広げられた第一回YOSAKOIソーラン祭り(本紙・七月二十二日既報)で芸術性の高い演技を披露して、人々に大きな感動をもたらした弓場農場の人たちの本業は農業だ。「土と共に歩む」という創立の理念が今でも息づいている。
たとえば、家庭的な雰囲気の中で製法が伝統的に受け継がれてきた「ユバ味噌」は味わいが深くておいしい、と常連利用者の輪が広がっている。その弓場農場が今年もさきの日本祭りに参加した。
創立者の弓場勇さん(一九七六年没)が兵庫県生まれという縁があり、第三回祭りから兵庫県人会(尾西貞夫会長)の厚意で、同県ブースで出品している。
自然栽培の素材をふんだんに使ったユバ特産自家製食品の種類も年々増えて、今年の出品は、いつものユバ味噌に加えて、しいたけ佃煮、せんまい漬、きゅうりのみそ漬、ゴヤバーダ、梅ジャム、梅・しそ・しょうが漬、乾燥かんぴょう、福神漬、かりんとう、など十七種類におよび、健康にも良い、と来場者に好評であった。
初めてブースに立ったという弓場的(ひょう)さん(二世)は「日本祭りは最高だった。初めてのため、上手に宣伝することができなかったが、沢山の人が買ってくださったので、自信がついた。もっと味にこだわって、より美味しいものを作るよ」と言い、弓場らおりさん(三世)は「どのようなものがユバに望まれているのかを知ることができて良かった。添加物などで作られたモノとは違う、より自然な素材の持つ本当の美味しさを皆さんに理解していただいた。ユバの特徴を生かして、自然にできる本物をもっと作って、来年も自信をもって皆さんに届けたい」と、夢をもう次回の日本祭りに向けているような感想を述べていた。
日系コロニアに限らず、自然の素材を使った食品は健康の原点でもあり、ルーラ政権の〃飢餓ゼロ〃政策にも一致する。歴史を刻みながら、〃農業と芸術〃を共存させている弓場農場の人たちは元気いっぱいだ。