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JICAの国際協力功労者=和井援協会長を選ぶ

8月5日(火)

 JICAが行なう国際協力業務に、長年にわたり協力した個人、団体に贈られる〇三年度国際協力功労者の表彰式が一日、同サンパウロ支所(小松雹玄支所長)であり、日伯援護協会会長の和井武一氏(八九、ブラストレーラ貿易有限会社会長)が表彰された。
 同表彰は一九七五年から毎年行なわれ、今回で二十九回目。昨年度までの累計は四百九十三個人、二百三十三団体で今年度は外国人受賞者二人を含む二十三個人、十二団体が選ばれた。
 和井会長は八三年、援協役員に就任、以来、同協会が運営する日伯友好病院、特別養護老人ホームなど七施設の運営に尽力。九三年には同協会会長となり、経済的に恵まれない日系高齢者の福祉増進、地域医療の充実に貢献したことが評価された。
 一日にあった表彰式では、はじめに小松所長が、「ブラジルの中での日系社会、その融合のなかで、和井会長が努力したことが認められた」とあいさつ。続いて和井会長が、「日系人経営で日本語とポルトガル語、どちらでも大丈夫な病院を目指していた」と、八八年に落成した友好病院の経緯を説明した。
 同病院はこれまで、日本からの支援金、約十五億円(うち約八億円はJICA)でMRI、レントゲン機器、CTスキャンなど最新機器を揃えたという。現在、毎月三万五千から四万人の患者が来院、非日系人にも広く門戸を開いている。また、三百万ドルを投じて増設工事を行い、総合検査センターが来年二月に完成を予定している。
 和井会長は、受賞の喜びを語るとともに、「一世から二世、三世へ、医療福祉が継続されることを願う」と力を込めた。