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議員4人が今月来伯=外務副大臣も首都へ=動き出すエタノール輸出=日伯貿易の起爆剤に

8月6日(水)

 今月は国会議員の来伯ラッシュとなる。まず茂木(もてぎ)敏充外務副大臣が二十日にブラジリアを訪問。二十五日にサンパウロ大学で開催される国際会議に民主党の鍵田節哉衆議が出席することも明らかになった。また、ガソリンへの混合用エタノールの生産現場などを視察するため、公明党の福本潤一、自民党の山崎力両衆議が二十五日から二十八日までサンパウロに滞在する見通しだ。

 外務副大臣は二十日、ブラジリアでルーラ大統領、セウソ・アモリン外務大臣らブラジル政府要人との会談を希望しており、現在実現に向けて調整が進められている。サンパウロ入りする十九日には、日系団体か進出企業関係者との懇談も検討しているという。
 十六日に成田を出発。チリ・サンチアゴ、アルゼンチン・ブエノスアイレスを訪問した後の来伯となる。二十日にはサンパウロから帰国の途につく。外務副大臣の南米訪問は二年前の植竹繁雄氏以来となる。
 栃木県出身の四十七歳。当選三回。東京大学経済学部卒業後、総合商社の丸紅を経て、ハーバード大学大学院を修了。読売新聞で政治部記者の経歴も持つ。
 大阪府出身の鍵田衆議は大学教授らとともに二十三日着聖。翌々日にサンパウロ大学で開かれるホームレスに関する国際会議でフランス、アメリカからの代表者と並んで発言する。
 一方、二十五日から二十八日まで循環型社会推進議員連盟から派遣される福本、山崎の両議員の訪問目的はエタノール生産事情などの視察だ。その背景には、日本でガソリンへのエタノール混合率が三%まで認められ、今月二十八日から販売可能となった経緯があるとみられる。
 経済産業省や環境省には将来的に一〇%まで引き上げる構想もありエタノールの安定供給地としてブラジルに寄せる期待は大きい。
 ブラジルからの輸出予想額は三億五千万ドルに上り、約四万人の雇用を創出できるとの試算も伯字紙などで発表されている。低迷を続ける日伯経済交流の起爆剤として、エタノールに向けられる両国関係者の視線は熱いようだ。
 両議員はブラジリア、イグアス、リオ、マナウスなども訪ね、九月三日に帰国する。