8月7日(木)
【ヴェージャ誌】ミナス州パッサ・クアトロ市出身のジョゼ・ジルセウ官房長官は、ルーラ政権のスーパー大臣として中央集権体制を敷き、ガラス張り政治と実力主義を旗印とする。四年間のパラナにおける同せい生活では、妻子にも真実を明かさなかった硬派。PT政権の鉄人ジルセウ氏の横顔をのぞいてみる。
官房長官は記者の質問に次のように答えた。
【前大統領が顧問役を提供したことで】前大統領の体験を国のために生かすという考えを受け入れるかは、社会が決めるべきことであって、現政府が決めることではない。前大統領は政党間の抗争に参加したことで、肩書をはずした。今は一政党の指導者に過ぎない。
【政権運営で戸惑ったことは】ブラジルの政治経済状況が想像以上に深刻であること。前調査で想像していたブラジルの能力と将来への確信を上回る状態であった。就任して先ず、激務に驚いた。次々に舞い込む問題の山に戸惑っている。
【中央集権の結果ではないか】旗印がガラス張りと能力主義であるように、いつも事実の報告を要求している。多くの閣僚が事実を隠し、きれいごとで片付ける。事実に向き合い、差しで話すことが必要だ。隠すのは解決にならない。
【教育相を追い詰めたのは、やり過ぎではないか】教育相が資金不足で愚痴をこぼし、私から注意されたことで私の主義モットーが誤解されているのだ。
スプリシー上議がエロイザ上議を弁護したことで、同上議が公式にエロイザ上議派を支持するなら、私は道化役者でも卑劣な男でもないから同上議の敵に回ると宣言した。結果も覚悟するようにと引導を渡した。
ブアルケ教育相もスプリシー上議も個々の意見として認めるが、発言したことには責任も取ることだ。年金改革についても同様だ。改革反対者は、いずれ責任を取るように追及する。
【スプリシー上議とは、たもとを分かつのか】上院倫理委でエロイザ上議に票を投じるなら、永遠の決別だ。人間には、自分の信じるところに従って行動する権利がある。私も自分の信じるところを翻意する気はない。
【二〇〇六年のサンパウロ州知事選と人生設計は】大統領と相談のうえで決めるが、いまは目前の問題で精いっぱいだ。人生設計は二〇〇五年まで大統領とともにブラジルの建設に献身すること。それから先は、神のみぞ知る。まだ五十七歳だし、健康にも自信がある。
【潜伏中の心境は】説明のできない孤独、心のうずきだ。十年間も家族に会わず、誰にも打ち明けられない心の苦しみがある。自分を慰め歯を食いしばって学び、人生を深く見直した。
【潜伏生活の注意は】飲み過ぎないこと。同じ所ばかり行かないこと。薄氷の上の生活だ。潜伏生活は死と背中合わせ。規律を忘れたら、死が待っている。
【神と宗教は】多くのブラジル国民と同じようにカトリック教徒であり、神を信じている。私はキリスト教に帰依する社会主義者だ。無神論者ではない。
【感激したことは】政権を獲得し就任演説をしたとき、とめどもなく涙が流れた。フェリックス将軍と大統領府の正面坂道を上ったときも。私たちはブラジルのために貢献することがあり、ブラジルもそれを期待しているからだ。