エコノミーア

8月7日(木)

 カナダ・モントリオールWTO閣僚会議でブラジルが特に期待を寄せる農産物補助金問題は米EUが中間案で合意した。来聖したスパチャイ・パニチパクジWTO専務理事は二〇〇四年十二月、完全開放の楽観的見通しだとした。九月十日開催のカンクンWTO会議では、中間案の詳細が明らかにされるが、補助金制度の廃止に向けた確実な前進が、期待できると同専務理事は述べた。
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 年金改革が難航していることで国際投資家がブラジルを見切り、資金を引き揚げている。年金改革反対派に政府が簡単に譲歩したことと、連立与党の基盤が虚弱であることも投資家を失望させたようだ。改革のほか経済の停滞や債務の決済方法がみえないと、投資家は観測している。経済成長によらないで、手持ち資金での債務決済なら限度があるというのだ。
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 ルーラ大統領のアフリカ諸国歴訪が延期となった。直接の原因は、年金改革失敗、都市部と地方部の占拠に政府が優柔不断であるため金融市場が反応したことだ。ウオール・ストリートも悲観し、政治危機説まで出ている。憂慮される問題は、どれも今まで懸念されていたことで、今になってバタバタするのが理解できないとしている。
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 産業開発銀行(BNDES)はブラジルが失業を憂う割に、消極的なサービス業の輸出キャンペーンを計画している。当初は南米向けから始める。サービス業の輸出では現在、土建業のみが活躍している。さらに航空機から娯楽産業、ソフトウエアなどが海外雄飛をすると、必要資材の輸出というおまけが付き外国での雇用創出も起きる。