8月7日(木)
【既報関連】アメリカ国内での乗り換え(トランジット)目的の乗客にビザの取得を義務づける措置は、日本に向かう日系人だけでなくブラジル全体に影響を及ぼしている。
ブラジルからの主な観光地となるメキシコのカンクンやカリブに向かう乗客は従来、アメリカでトランジットしていたため、パナマやコロンビア、ベネズエラ経由で目的地に向かうとみられている。
また、日本に向かう次善の手段としては、エアカナダ(カナダ)が挙がっている。金額もJALやVARIGが千五百九十ドルかかるのに対し、エアカナダでは千二百九十ドルと割安。トロントやバンクーバーを経由する際には、ブラジル人もビザの取得が必要となるがビザの取得は無料となる。
日本行きの乗客が少ないことなどから、エアカナダでは減便体制を取っていたが、今後利用者が増加すれば、従来の体制に戻ることも考えられる。
また、帰省シーズンを迎えた在日ブラジル人の航空券を扱う日本の旅行代理店もホームページなどを通じて、ビザの取得について説明している。沖縄県在住者はアメリカの那覇総領事館で取得できるが、それ以外の地域では東日本在住者が東京に、西日本在住者は大阪に出向いて面接を受け、申請することになる。
遠隔地在住のデカセギにとっては、面接予約をして会社を休み、交通費をかけて面接せざるを得ず、アメリカ経由は手間と経費のかかる路線となった。
横浜に支店を持つ日系旅行代理店では、今のところ大きな混乱はないというが、帰省するデカセギを顧客にする日本の支店では、対応に追われているという。