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コラム 樹海

 日本の政局は秋へと動き始めた。自民党の総裁選が最大の焦点ながら衆議院の解散もありそうだし政治家たちもこの夏はのんびりなどとは言っていられない。小泉首相は地方遊説を始め大阪府での「市民対話」でも構造改革の必要性を熱っぽく語る。民主党の菅代表と自由党の小沢党首も全国行脚の第一歩を宮城県の仙台市にし「政権交代」をと市民に訴えた▼首相は郵政事業や道路公団の民営化を唱えて威勢はいいけれども、党内には反対論が根強い。郵政については野中広務氏というドンが頑張る。道路族には古賀誠氏や村岡兼造氏の実力者たちが踏ん張っていてそう簡単に「民営化」ができそうにも見えない。大規模な国債を発行して経済を再建するのが急務と説く亀井静香氏という強敵もいるし「小泉安泰」とは言えない状況が続く▼変人・小泉氏も黙ってはいない。総裁選で敗れたとしても「首相の座は降りない」と言い出したものだから自民党内は大騒ぎ。これまでの慣習では総裁選で負ければ内閣総辞職だけれども、小泉首相は衆議院を解散して国民の信を問うこともありうると発言したものだから議員先生もびっくり仰天した▼この考え方も小泉流なのである。曾て恩師・福田元首相が総裁選で大平元首相に破れたときにも「総辞職せずに解散・総選挙すべし」と強く主張したのも若き小泉氏であったから、自民党の諸公が驚くのも無理はない。「政界一寸先は闇」。何が起きても不思議でないのが政界なのだしーこの秋には「小泉珍事」が実際に起こるやもしれぬ。(遯)

03/08/09