ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 強制供託金を減額=中銀 経済成長促進を狙う

強制供託金を減額=中銀 経済成長促進を狙う

8月12日(火)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙、時事九日】ブラジル中央銀行は八日、市中銀行が保有する預金口座残高の一部を一括で中銀へ預ける強制供託金の割合を六〇%から四五%に引き下げると発表した。
 中銀は今年二月、イラク情勢緊迫化などに伴うインフレ懸念を受け、強制供託金の割合を四五%から六〇%に引き上げた。インフレが沈静化した一方、内需不振による景気後退感が強まっていることから、これを元に戻した形だ。
 それに加えて市中銀行は同残高の八%を中銀に預け続けなければならない。しかし、その分は基本金利(年率二四・五%)支払いで相殺される。この八%を加えると、強制供託金は六八%から五三%に下がったことになる。
 中銀は今回の金融緩和によって、約八十二億レアルが市場に還流すると見積もっている。しかし、企業家たちと中銀職員自身も市場へのインパクトは小さいと考えている。市中銀行はすでに余剰資金を抱えるが、ドルや公債に振り向ける方が、利潤が大きいためにそれを融資に回していないからだ。
 パロッシ財務相は、強制供託金の減額は市中銀行の貸出金利引き下げを促すと述べた。
 今回の措置の背後にある政府の意図は経済成長の促進だ。金融機関も同措置に対する責任を負うことになる。「強制供託金の減額は銀行のスプレッドに直接インパクトを与え、融資コストの減額をもたらす」と中銀の報告書には記されている。ブラデスコ、イタウ、ウニバンコといった大銀行は顧客への融資金利を引き下げると発表した。