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アマゾンの公有地委譲=持続可能な開発を

8月12日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙】ブラジル政府は二〇一〇年までにアマゾン地域の公有地二千五百万ヘクタールを民間企業や地域社会に委譲する計画を策定した。委譲期間は更新の可能性も含み、二十五年から三十年の間となる。委譲面積はアマゾン地域全体の七%以下に抑えられる。
 公有地に関心を持つ団体は公共入札に参加できる。持続的な経営・管理について、最も健全な計画を提案した団体が、連邦政府が指定する領域を開発する権利を有する。パラー州にあるタパジョス国立森林協会は三千ヘクタールの公有地を経営する権利を手に入れ、ロンドニア、アマゾナス、パラー、アクレ各州で四つの試験計画が数カ月以内に採用される予定だ。外国企業にも委譲の可能性はある。
 アゼベード国立森林計画部長補佐は、森林は社会・経済発展の一翼を担うとみる。森林と関係する生産部門は輸出の八%、GDPの四%を占め、二百万人の雇用を創出している。
 政府代表者は百万ヘクタールに及ぶ熱帯雨林を含んだ、特に環境保護が必要な地域は委譲しないと保証した。大企業が広大な森林地域を伐採した、インドネシアやマレーシアが犯した過ちの繰り返しを政府は避けたい考えだ。
 環境保護主義者は同委譲計画を好意的に評価していない。生物多様性保護を考慮しつつ、開発に移る前にアマゾン地域の大規模な区画化が必要と訴えている。また民間企業ではなく地元社会だけに開発権利を与えるべきだという声も挙がっている。コスタリカでは国土の三〇%が、開発が一切行えない環境保護の”聖域”だが、ブラジルのそうした地域は国土の一%以下だという。