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戦後初期移民の同航会=53年8月オランダ船「あの頃美男子だった」

8月12日(火)

 チャチャレンガ号で五三年八月にブラジルに渡った移住者の渡伯五十周年を記念した同航会が八日午後、乗船者の一人、山下忠男さん(援協事務局長、六九)方で開かれた。同船者十人ばかりが集まり、思い出話に花を咲かせた。
 チャチャレンガ号は戦後移住が再開されてまもなく神戸港を出港した。松原移民や自由渡航者など百数十人が乗り込んだ。
 会場には移民船やサントス港上陸前に行われた「お別会」で撮った写真などが飾られた。出席者たちは「この頃はまだ痩せていて、美男子だった」などと船内生活を懐かしんだ。
 松原移民の一人、榎本恒朗さん(七〇)は「サントスに入った日は非常に寒かったのを今でも覚えています」と振り返った。
 両親と妹が同船者だったという戸塚マリさん(七二)は母、八木静子さんの日記を紹介。「母は船で幼稚園の教師をしていた。子供たちが、どんな風に成長していったのか知りたい」と参加の動機を話していた。
 矢野年明さん(七三)、かおるさん(七三)夫妻は当時、新婚ほやほや。同航会は金婚式も兼ねていたので、二重の喜びとなった。