8月13日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】経済活性化を急ぐルーラ大統領は十一日、閣僚十三人とともに千九百十四億レアルに上るインフラ整備計画(PPA)をまとめた。PPAは二〇〇四年から二〇〇七年にかけて完成予定の下部構造整備計画で、フェルナン・ジーアスやレジス・ビッテンクールなどの国道複線工事、北部地域の工業化のために電力事業計画が盛られている。
閣議はマンテガ企画相のPPA計画で、インフラ・ストラクチャー(下部構造整備)の立ち遅れが経済成長のネックだとして、来年度予算編成の最優先事項とした。指摘されたのは、陸路や鉄道、水路、空路などの運送手段の分野。続いて都市交通、電力供給、水資源、住宅、上下水道など。
大統領府には正副大統領と閣僚十三人のほか、国立銀行の総裁、公社の年金基金代表も出席した。資金の財源について、政府の裏書による資金と民間資金の捻出法、合同プロジェクトの説明を企画相が行った。 大統領は国家予算による
従来の事業は保留し、民間が興味を示す事業にしぼることを条件にした。三十日までに州知事の意見も入れて民間資金の参入計画が、練り直され議会へ上程される予定。先鞭をつけたマット・グロッソ州の前例にならって、北部州も国道BR101号線の複線工事に総力を挙げている。
アダウト運輸相は、官民合資(PPP)による国道整備計画を立案し、民間企業へ呼びかける。PPPは国が原案作成と初期段階を担当し、残部を民間に引き継ぐというもの。
フェルナン・ジーアスとレジス・ビッテンクール国道のサンパウロ市クリチーバ間の複線工事には、南部と南東部全州に参加させる。この国道は一時、民間企業への権利譲渡が検討された経緯がある。今度は米州開発銀(IDB)が資金手当を行う。
政府の政策を待たずに、各州の音頭取りで地域の民間パワーを起用することを企画省は期待している。
一方、政府の緊縮財政で閑散としていた公共事業の下請け企業は、アパート建築など多角化経営へ変更し口をのりしていた。公共事業の下請けは、これまで三百社はあり総事業分量の六六%、総収入の八〇%を公共事業で占めていた。
公共事業の下請け業界は、たとえ経済の活性化が実現しても往年のように公共事業へ専念することは終焉したとみている。国内総生産(GDP)の三六%が税収というのは、ブラジルに限らず世界的傾向であり公共事業の継続受注は困難とした。一時代の節目だと、業界関係者はみている。