8月14日(木)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十三日】連邦地裁ブラジリア第一法廷のセレネ・M・アウメイダ裁判長は十二日、遺伝子組み換え(GMO)大豆の種子供給元モンサント社が申請したランドアップ・リーディ種(RR)大豆の植え付けと販売を許可する判決を下した。裁判長は、同GMO大豆の人体への無害は検定済みだとした。消費者保護団体は、同判決を不服として上訴するようだ。
連邦地裁ブラジリア第六法廷は一九九九年、環境への影響(EIA・Rima)が判明するまでGMO大豆の栽培と販売を禁じていた。これを許可する判決が、第一法廷から下された。
GMOについては一九九八年、科学技術省の生物保全委員会(CTNBio)から安全性確認の発表があった。しかし、消費者保護団体やグリンピースなどは、同発表に異議を唱え環境庁へ再調査を依頼して栽培許可を阻止していた。
暫定令二一九一号によりCTNBio発表の正当性は認められたが、第六法廷の判事二人は判決を保留した。この保留は期限切れとなり、EIA・RimaもGMO大豆は生態系に影響する可能性がないと認めた。アウメイダ裁判長はCTNBio鑑定の正当性を再確認し、第六法廷の保留処分を取り下げた。
GMO大豆論争は二〇〇二年にも、同裁判長が許可判決を下し判事二人が異議を唱え保留していた。その二人は保留のまま結論を出さず判決を遅延したため、大豆生産者は植え付け時期を逸するので、アルゼンチンからGMO大豆種子を密輸入して作つけをした。
モンサント社のGMO大豆RR種に対する栽培許可の申請は、再々保留された。アウメイダ裁判長は、判事二人の判決遅延に業を煮やし今回の判決に至った。モンサント社はGMOで晴れてお墨付きをもらった。
判決にはモンサント社の言い分として判事二人の判決遅延は、ブラジル国内ではバイテク産業が認められないのか分からないまま長期間放置されたとした。
また法令七三四七号十四条を適用して、理由も判然としないまま判決を放置したので、ブラジルの農業とバイテク産業の発展に多大な損害をもたらしたとしている。RR種は国際保健機構(WHO)でも無害と認められ、米国や英国で自由に市販されている。
ただし判決はRR種にのみGMO許可を認めたもので、それ以外の種類については触れていない。またCTNBioの権威については、まだ態度を保留している判事二人の見解が取り上げられるようだ。政府が十五日、上程するGMO法案は見解の異なる省庁間で、CTNBioに関する論争がまだ続きそうだ。