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ロベルト・シンヤシキ氏 好評の自助努力シリーズ=出版界の最高峰へ=12冊目「解決の力」発刊

8月14日(木)

  【スセッソ誌】自助努力シリーズで五百五十万部を売り上げ、出版界の脚光を浴びているロベルト・シンヤシキ氏が十二番目の著作「解決の力」を刊行した。巻頭で「問題のないのが幸福というのは、怠け者の弁。問題は成長の踏み台だ」と説いている。

 シンヤシキ氏(五一)は、サントス市で薬局の息子に生まれた。ブラガンサ・パウリスタ大学医学部を一九七六年に卒業。卒論に「乳がんによる乳房切除の女性心理」を書いて好評を得、出版社を開業。以後著述に没頭する。いまや、心霊術作家のパウロ・コエリョ氏と並ぶ人気作家だ。
 同氏は人々の表情が、希望もなく暗いのが気になって「解決の力」を草稿したという。同書は二部からなる。第一部は何故、人生に夢が描けないのか。第二部は、問題の解決法。
 解決は問題の原因を解明するのが、解決法の基本だとしている。問題は大体、三種類に分類できる。精神上の問題と客観的事実としての問題、そして不可抗力の問題の三つ。 
 第一のタイプの問題は、一生かけて築き上げた大会社が倒産前夜にある社長など。これは個人の頭の中の問題。世界の富を自分一人が握っても、破産のリスクは付きまとい不安から解放されない。お金で解決できない問題は、自分を信じるしか解決法はない。精神科医の処方せんは、自信を取り戻すことに行き着く。
毎日執ような借金の取り立てに苦しみ自殺を考えている人は、第二のタイプ。自分の債務能力以上の借金をしたのだ。弁護士か専門家を訪ね、最善の方法を探すこと。最悪の事態を想定して、それを受け入れる決心をすること。案外、死ぬ必要はないものだ。また最悪の事態も起きない。
 第三は不可抗力の事故により人生計画が、台なしになった場合だ。身体の一部を失って不自由になった人。親を失った子供、一人娘を失った夫婦。難病の子を抱える親など。失ったものは、二度と返らない。
 この場合は、第一と第二とはケースが異なる。聖書の言葉を借りるなら、「わが飲み干すべき杯」なのだ。飲み干すまでは、一生そのために悩まされ精根ともに尽き果てる。問題の渦中の人には、誰の慰めも解決にならない。解決法は、外に求めても駄目だ。問題は津浪のようなものだから取り組まないで、その上に乗って超越することだ。
 また第一のケースだが、遺恨の問題に触れる。モーパッサンの「一本のひも」という短編がある。ある人にむごい仕打ちを受け、人生を台なしにされた人の物語。加害者は、そのことを全く忘れていたのに、被害者は一生恨みながら病気になって裏町で、ボロ布のように死んでいったというストーリー。
 一生の間には、他人の人生を狂わせる人に出会うもの。魔界の力を引き寄せるような人もいる。そんな人からは、遠去かることだ。存命中は狂人扱いされ生活苦にあえぎ、死後に功績を認められた有名人は多い。遺族は悲惨だったようだ。これは第一のケースだが、生涯出血し続ける心の傷だから、自分で傷口をふさがないと命を縮める。