8月14日(木)
『文協改革』を標榜している執行部が誕生して、約四カ月が経過した。いまだ大きな改革は見られないようだがー。
「『何をやっているんだ』という声もあるけど、小さなことから改革はすでに始まっている」と強調する伝田副会長に、進んでいる改革への動きとこれからの展望を聞いた。
文協ビルに入って右手にある、事務局の雰囲気は大いに変わったといえる。女子職員も増員され、人事はほぼ一新されたと見ていい。
中島剛事務局長は「仕事のしやすい雰囲気作りを目指した」と話す。壁に掛けられている日系画家たちの作品もその一環だ。
副会長たち自身の要望もあり、小会議もできるほどの机などが事務局内に置かれ、松尾治、伝田英二両副会長が執務に当たる姿は毎日のように見られる。
今まで批判の声も聞くことが多かった会計の面については、大きな変化が。七月十四日に開かれた常任理事で、同協会の会計業務を外部に委託することを決定した。担当するのは、松永会計事務所。八月一日から実施されている。
伝田英二副会長は「会計の仕事を文協自身が行うのは、大変な仕事。専門家に任せた方が、色んな意味で文協の負担も軽くなる」と話し、「今まで会計事務に携わっていた四人の事務員も他の仕事に携わることができる」とも。
伝田副会長は、今回の決定を改革委員会の最終報告書にも述べられている『文協の透明性』を高める意味でも重要と見ている。
文協内にある日本語学校と史料館の雇用契約の不備により、INSS(国立社会保険院)から課せられていた追徴金十二万四千レアルについては、「サンロッケの土地(文協所有)を抵当として認める」ことが連邦裁判所で七月末に認められている。
大講堂の改装も清和塾ブラジルの支援によって始まっており、今月末にはカーペットの色も新たに生まれ変わる。これから夏を迎えるにあたり、空調設備の不備が気になりところだが、その点については具体案や計画はまだ検討中だという。
「もっと開かれた文協にしよう」とオイスカ・ブラジルが管理と運営、在日外国人就労者共済会が整備を担当し、文協庭園の活性化を図る事業も展開中だ。 伝田副会長は「柵などを取ることによって、(文協の)閉鎖的なイメージも取り去りたい」と話し、普段閉められている門もこれからは常時、開放する考えだという。
大サロンには現在、会員談話室と称してソファやテレビ、新聞なども設置されているが、認知度もまだ低く、広い空間にポツンという感じで少々寂しい印象は拭えない。
「これから自動販売機や雑誌、本なども設置し、人々の集えるスペースを作っていきたい」と伝田副会長は話し、コンピューターなども置くこともできればとその希望を話す。
五年後に控えた百周年までに、文協は名実ともに日系団体の代表的機関となるのかー。これからのさらなる改革を期待したいところだ。