8月15日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十四日】インフラ整備による経済活性化政策が、予算を大きくオーバーすることをギード・マンテガ企画相は十三日、明らかにした。十一日に発表した計画にはペトロブラス社の海上プラットホームの増設など公社関係が含まれていないため、千九百十四億レアルの予算は大幅に超過する見込みという。官民合同になる経済活性化政策の詳細発表は、来週十八日以後に延期となった。
現政権が命運をかける経済活性化政策は、当初の予算を大きく上回る見通しとなった。計画案は大体完成だが、資金源と融資する金融機関と詰めの段階にあるという。企画省は、民間の資金協力を引き出す演出に努力したとしている。
政権交代後は緊縮財政政策で道路網は穴だらけ、補修もされないまま放置されている。運輸省は開店休業で国道の新設はもちろん、既存道路の保全も改善もままになっていない。
国家統合省は、爪に火を灯すのは慣れていると達観している。ペルナンブッコ州の三十郡に飲料水を供給するカスタニョン貯水湖は、工事を開始して十七年も経過するが予算不足で完成の見通しはない。
インフラ整備案の最終詰めで閣僚は十三日、再度集まり短期と中期の類別を行った。さらに短期を輸出振興とコスト低減につながる運送と送電施設やガス・パイプライン、精油設備のエネルギー、その他の住宅建設、上下水道、通勤機関、潅漑(かんがい)設備の三種類に分別した。
豊富な資金を有する年金基金の出方が、注目されている。政府は民間資金の協力を期待して計画案に営利性と安全性、将来性を考慮に入れる。しかしインフラ整備のような戦略的部門での営利目的は、微妙な問題とされている。
計画は予算の四〇%を民間からの出資とし、特に年金基金が大きな部分を占めると予想される。政府は電力料金や国道通行料、港湾使用料、鉄道運行料の一部で最低金利を保証するようだ。基本金利にリンクする保険証書や電力、国道の長期使用権の供与もある。
産業開発銀行(BNDES)のレッサ総裁は、海外の年金基金誘致も計画している。先進国の年金ファウンドよりも、有利な利回りを保証できるという。燃料税(CIDE)の増税案もあり、資金源に加えられる。同案は二十日、民間投資家を招き説明会を行う。インフラ整備予算案は二十九日までに、上程する。
レッサ総裁は開発銀の二〇〇四年度融資計画として今年の三八%増で四百七十億レアルの融資枠拡大を発表した。そのうち二五%を、インフラ整備のために融資する予定という。開発銀予測では来年、工業界の景気後退のために資金需要が少ないとみている。
南米全般でも資金需要の減退は、大企業が顕著で中企業は横ばい小企業が増えている。メルコスル地域への融資予定もあったが、実際は行われないようだ。