8月16日(土)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十五日】社会保障院のリカルド・ベルゾイニ総裁は十四日、下院における年金改革表決を終え、社会保障院の節約可能な額が原案修正により向こう二十年で五百二十億レアルから四百九十億レアルへ縮小し三十億レアル減少したと発表した。構造改革の目的を大きく外れることなく、原案の大幅修正はあったものの当初の意図は達したと述べた。下院は十八日から二次採決を行い、引き続き上院へ回される予定。
構造改革の一端である年金改革は下院での表決の結果、二〇二三年までの節約額が五百二十億レアルから四百九十億レアルとなり、三十億レアルの減少となった。当初に期待された改革目的に近いものになったと、総裁はみている。
社会保障院の出費節約額は軍人や国会議員、司法官などの年金を含めず、年平均にして二十五億レアルとなった。二〇〇四年の年金収支は、まだ改革の効果が表れないので百六十億レアルの赤字が計上される。
雪だるま式累積赤字を抱える社会保障院にとって四百九十億レアルの節約は、まずまず勝利であると、ベルゾイニ総裁は述べた。ブラジルが直面する財政改革第一歩の年金改革は特権階級の根強い抵抗にさえぎられ、その難しさを認識したと、総裁は述懐した。
財政破たんの手前にあるブラジル経済にとって年金改革は、将来の公務員年金の確保で、二千四百レアルは年金の最低保証であったと説明した。財政改革の年金改革は短期間に見える効果は小さいが、長期的には軌道に乗るとみている。
改革案は下院に提出されてから、特に公務員勢力の難所とされる司法官の年金改革の反対圧力を受けた。総裁は上院は、これ以上の修正を加えないとみている。政府は最終的に現職の公務員は全額年金を支給され、定年後も現職と同率の年金調整を受けることに譲歩した。全額年金と同率調整は、改革原案にはなかった。
全額年金を受給するために公務員は男性六十歳、女性五十五歳。年金負担金を納入した期間が男性は三十五年、女性は三十年。公務員として二十年勤続、級職に十年、最後の職位に五年勤続となった。これまでは職位に十年で、級職は要求されなかった。
遺族年金も定年者の負担金徴収も、大幅修正された。原案では遺族年金は七〇%へ減額であったが、修正案は二千四百レアルを超過した分に対し五〇%減額とし、最終的に三〇%減額へ、政府は譲歩し再修正した。
定年者の負担金徴収は、原案の千五十八レアル以上から徴収を千四百四十レアル以上へ引き上げた。千四百四十レアル以下の年金受給者は負担金徴収を免れた。以上の年金者が超過分に対し一一%を徴収される。
司法官の給与は、最終的に最高裁判事の九〇・二五%を上限にすることで落ち着いた。従って最高裁判事の給与以上を受給する司法官は減俸になるはずだ。