8月16日(土)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十五日】イギリス移住者管理局はこのほど、イギリス南部サリーのビスケット会社「クッキーマン」の工場で、不法就労のブラジル人六十三人を拘束した。ブラジル人らは、同地の六カ所の警察署内に拘束されており、イギリスから追放処分になるという。
同国ホームオフィスのスポークスマンは、「ブラジル人拘束者らは不法就労のほか、不法滞在などの問題も抱えている場合が多いため、一人ずつ取り調べている」と述べている。工場主の罰金は五十万ポンド(約二百五十万ドル)の罰金を科せられる。
ブラジル人たちは十一日に拘束された。ブラジル人のほか、一緒に不法就労していた三十八人の外国人も逮捕された。
在ロンドン・ブラジル総領事館がブラジル人拘束の知らせを受けたのは十三日。フェルナンド・ベゼーラ総領事は、警察署一カ所を訪問し、拘束されているブラジル人八人と直接話した。
「我々はこの状況に干渉することはできないが、何かして欲しいことはないか、同署の職員らの応対は良いかなどを聞きたかった。皆、職員らの応対は良いと言っていた」と、ベゼーラ総領事は語った。
総領事はほかの警察署にも電話を入れたが、職員らの応対に文句を言ったブラジル人拘束者はいなかった。幾人かは、「工場で拘束されたので家に戻るひまがなかった。家に置いてあるトランクを保管して欲しい」と総領事に頼んだ。
総領事館とホームオフィスはブラジル人拘束者の名前を公表していない。拘束者らが強制追放される日程も定かではないが、英国側はチャーター機をレンタルして一度にブラジルへ帰したいと表明。一方総領事館側は、「拘束者らの身元が分かってしまう」と反対している。
ブラジル外務省の情報では、外国に居住しているブラジル人数は昨年百九十六万人。最もブラジル人が多く住んでいるのはアメリカ(七十八万四千人)。次いでパラグアイ(三十七万八千人)、日本(二十七万四千人)となっている。今回問題になったイギリスは九位で、三万人のブラジル人が住んでいる。