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来年度予算、4100億レアル=緊縮財政案を発表=少ない産業部門への投資=経済回復から遠のく

8月19日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】政府は十七日、二〇〇四年度予算案の上程を十一日後に控え、総額四千百億レアルとする緊縮予算案を発表し、大統領公約の経済回復とは程遠いものとなった。マンテガ企画相は、無限にある資金需要を有限の税収で賄う予算編成であると弁明した。上程者のビッタル下議は期待の経済回復の景観は、官民合同のプロジェクトが始動してから見られると述べた。

 現政権が初めて提出する来年度予算案は、大統領の期待とは程遠いものとなった。社会部門には見られるものがあるが、産業部門は据え置きにされた。 
 国際通貨基金(IMF)の定期監査を十二月に控え、基礎収支の黒字幅を国内総生産(GDP)の四・二五%から四%に引き下げることで、政府首脳部の意見が分裂し激烈な論争が交わされた。この差額は四十億レアル、〃開店休業〃の十省庁を潤す金額とされる。
 融通の利かない通貨政策に閣内の不満がうっ積し、財務相への風当たりも強い。ジルセウ官房長官は、社会福祉への増額がせめてもの慰めであると抗弁した。予算獲得の党内抗争は、飽くまで内輪のことで外部へ出さないよう閣僚らに注意勧告した。
 ビッタル下議はペトロブラスと連邦カイシャ・エコノミカの営業利益が突出し、他の公社は抱える債務のために事業拡張の投資ができないのは、収支本位とする偏った財政政策の所産だと経済政策を批判した。
 社会保障院のベルゾイニ総裁は、経済活性化が現政権のプロジェクトを始動するための根本条件だとした。年金改革法案が下院の第一次採決を通過したことは、現政権にとって大きな進歩であり最終表決が終われば、国家財政は折り返し点に入り順風が吹くと述べた。
 社会保障院は二〇〇四年には、まだ十三億レアルの予算を充当されている。他の省庁は、予算獲得のために財務省参りに余念がない。経済開発審議会のジェンロ議長も産業部門への割り当てが少ないことで、期待を裏切られたようだ。
 二〇〇四年度の税収見込みは四千百億レアルと、大きく予想を割り込んだ。今年のこれまでの税収は、三千五百七十億レアル。マンテガ企画相は、「毛布が短すぎて、とても〃足〃まで覆えない」と、インフラ整備で意気込む運輸省へ弁解した。運輸省は、国道の穴ふさぎだけで十八億レアルの予算を要求している。
 ブアルケ教育相は、資金不足を最も不満とする閣僚の一人だ。教育省の一次官が先月、資金不足を理由に辞表を提出した。教育相は資金不足を理由とするなら、教育省は空になるとジョークをいって、翻意させたエピソードがある。