ミナスの農村で水銀汚染=放置状態の噴出現場=廃鉱からリッコ川へ流出
8月19日(火)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十八日】ミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテ市から三七〇キロのデスコベルト市の農村地帯でこのほど、常温で唯一液体状態を保つ金属・水銀が、地面から丸いボールのようにふき出てくるというブラジル初めての異常現象が発生した。水銀は廃鉱から出てきたもので、付近の土壌や河川を汚染している。
〃銀色のボール〃は昨年十二月に吹き出始めた。それからほぼ九カ月がたったが、水銀汚染現場は放置されたままで、付近の住民約三百人も毛髪水銀濃度検査をまだ実施していない状態である。
水銀は有害重金属の一つで、毒性は非常に高く、汚染がひどいと脳の神経細胞を破壊することも。日本国内で最も有名な環境汚染の一つである水俣病は、水俣湾に流出した工業廃水の中にメチル水銀が混入、それが湾内の魚に取り込まれ、それを食べた人間が中毒になるという食物連鎖によって発生した。妊婦には特に悪く、母体に取り込まれた濃縮された水銀を胎児が受け継いでしまう。
デスコベルト市の水銀は昨十二月二十日、吹き出た場所から五十メートル先に住むクリスチーナ・H・R・シウヴァさんが発見した。発見現場はグラーマ山脈にあり、同市から十キロほどの場所である。
その前日の同十九日、現場付近の道路を広くするために、市の大型機械がその場所から大きな岩を除去した。その岩の下に水銀があった。現場付近は斜面で、水銀が転がって周辺に散らばったもよう。
水銀発見現場からわずか十五メートルの場所にリッコ川がある。三百メートル先で、デスコベルト市やサンジョアン・ネポムセーノ市に配水するグラーマ川に流れ込む。グラーマ川はノーヴォ川になり、釣り愛好者が通うマウリッシオ湖で終点となる。
デスコベルト市のオルランド・メンドンサ同市保健局長は、ミナス州水道局(Copasa)に捜査を依頼。ミナス州保健局も捜査に加わった。川底などから水銀が採取され、水銀が土壌から川へ転がり落ちていたことが明らかになった。
ミナス州環境基金(Feam)は、水銀が吹き出た場所の土壌を採取し、水銀汚染濃度を測定したところ、269mg/kgから936mg/kgまでと濃度が高かった。サンパウロ州環境衛生技術公社(Cetesb)の水銀汚染の基準書には、「水銀濃度が25mg/kg以上の土壌は汚染されている」と記されている。
水銀が吹き出た場所は一八一〇年代、金採掘が盛んだった。一八五〇年ごろから一八九〇年ごろまで、イギリス人採掘者の指導で精錬作業に水銀を使用するようになった。