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サンパウロ市の公共医療制度変更=まず市内科で診察を=SUS電話予約取りやめ

8月20日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】サンパウロ州保健局は十八日、サンパウロ市の公共健康保険『SUS』専門医の診療予約受付フリーダイヤル0800・556331番での受け付け制度を解除した。これからは、四百三十カ所あるサンパウロ市の公共健康保険『UBS』に行き、内科医の診察を受けないとSUSの専門医の診療を予約できない。
 サンパウロ市保健局によると、これによって受け付けが今までより迅速になるが、これから数カ月間にわたる順応期に問題が出る可能性があると述べている。
 サンパウロ市のSUS専門医の三四%が、0800番を通して診療の予約を受けており、サンパウロ医師労働組合は「0800番をなくすとは非常識な」と憤っている。
 UBSの内科医数は市内各地でまだ少なく、新しい診療予約制の妨げとなる可能性がある。マルコ・アッケルマンサンパウロ市保健局長補佐は、「医師数が人口に対して多い地域もあれば少ない地域もある」と述べている。
 新しい予約制が始まれば、どの地域に問題があるかが明らかになる。現在サンパウロ市の内科医数は六百二十六人。この中で、UBSで受け付けているのが何人いるか分からないと、同局は打ち明けている。
 サンパウロ市は年末までに、UBSにコンピューターシステムを導入し、インターネット経由で予約もできるようにすると公約している。
 サンパウロ州保健局大サンパウロ市圏健康管理部のマルシオ・C・ゴーメス氏によると、専門医の診療の前に内科医の診察を受けるのが正しいが、多くの人々が0800番を通して直接専門医の診療を予約していた。また、医療関係の問い合わせとして使われたり、他市、他州からの電話もあったという。
 一方サンパウロ医師労働組合のジョゼ・E・オリヴェイラ組合長は、フリーダイヤル制度を解除したことを「とんでもないことだ」とし、「UBSに相当のインフラがあれば文句はないが、現状はそうとは言い難い」と批難した。