8月20日(水)
[既報関連]さきの日曜日の八月十七日、晴れ、午前七時、気温十度、真冬のサンパウロ市は、歩く人々に最高の条件を提供した。リベルダーデ広場にある東洋文化会館には早朝五時過ぎから参加者が続々と集まり始め、出発時間の午前七時には九カ国・地域の老若男女、約三百人が集まった。ブラジルと日本の国旗、リベルダーデ歩こう友の会の旗を先頭に行列が出発した。
主催したリベルダーデ歩こう友の会の細川晃央代表が「昨夕は小雨がぱらついたし、今日の天気予報も良くなかったので心配したが、明け方は星空だったので安心した」と胸をなでおろしていたように、好天に恵まれた。
しかも、日中の気温も上がらず、歩くには最高の条件。アクリマソン公園からパライゾ区に通じる一キロ半のかなり急勾配の坂道を順調に登り、始点から約十三キロを歩き抜いて午前十一時過ぎ、終点のイビラプエラ公園内の日本館に到着した。完歩率九九%だった。
ブラジルは初めて、という日本ウオーキング協会の西村幸修事務局長は「高齢化社会の日本では歩くことがスポーツとして認知され、参加者が増えています。いつも、どこでも、誰でも(本紙・八月十六日既報)というのが歩くことの特徴です。歩けば健康になり、人生も豊かになります。皆さん、もっと歩きましょう!」と元気な声で呼びかけていた。
参加者の最年少は九歳のワカミ・フェリッペ君、ついで十歳のハタ・イズカワ・ルシアーナさんで、それぞれ両親と一緒に参加した。最高齢者は九十歳の村本頼政さん、女性は八十三歳の土屋レイさんだった。
今年はポルト・アレグレ、ナタール、サントス、モジ・ダス・クルーゼスなどからも参加者があり、参加地域の範囲も広がりを見せた。「みんなで歩くことがこんなに楽しいものとは知らなかった。参加冥利に尽きますよ」とはナタールから駆けつけた伊藤範夫さんの弁。ジャカレイ市にあるコチア農業学校で研修を受けている南米七カ国のオイスカ研修生たちもソニア・ヤマシタ・カンポス・リマ校長(日系三世)に引率されて参加して、〃元気印〃を盛り上げた。台湾出身の人たちも参加した。森美栄さん、細川清子さん、小笠原絹子さん、岡田愛子さん、有賀由紀子さん、小笠原勉さんの六人が、第一回国際歩こう大会から連続して参加してきた。森美栄さんは八十二歳。歩くことが健康につながり、人生を豊かにする動く広告塔のような存在だ。
サンパウロ援護協会を通して日伯友好病院が医師と救護車を派遣したり、サンパウロ市警が第四警察署のパトカー二台を先導させるなど、医療と安全の両面で支援を行った。「いつでも、どこでも、誰でも」実行できるスポーツがブラジル社会にもっと浸透することを期待しよう。