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ベルナルジーニョ監督 リーダーシップを語る=ビジネスに生かす6カ条

8月21日(木)

 【スセッソ誌】数々の金メダルをもたらした男子バレーボールのベルナルジーニョ監督は、厳しい練習の中にもユーモアと仲間意識を忘れない、選手にとって父親的存在。企業や団体の講演依頼にも忙しい同監督に、激しい練習に耐える選手への動機づけのコツを語ってもらった。
 練習のときと試合のときとは、人が変わる。世界一のチームをリードする秘訣は、他人の栄誉のために献身することという。
 同監督はリオ・カトリック大学経済学科を卒業、バレーを引退後、一時レストランを経営した。その後はバレー・コーチに専念。
 【一、モチベーション】スポーツでも事業でも各選手が大切なメンバーであることを自覚させるのが動機づけになる。それがなかったら選手は、義足のようなもの。正と補欠にかかわらず選手の人格を尊重し、各選手のモラル向上を図る。
 【二、勝ち癖】三十歳で現役を引退したときバレー・コーチの話が、イタリアのペルジア女子チームから入った。ペルジアは十連敗の後で降格の瀬戸際にあり、選手は意気消沈し自信喪失して新技術や新戦略の導入どころではなかった。
 各選手の持ち味を引き出す動機づけが求められていた。勝てそうなチームを探し、ひんぱんに練習試合をさせ、勝ち癖をたたき込んだ。選手を信用するため交代はしないこと。生活に練習に、勝利者の立ち居振る舞いをすることを求めること。そして見事成功した。
 【三、団体競技の意義】ベルナルジーニョは、マイケル・ジョーダンのような個人技は許さない。バレーは団体競技であって、誰のおかげで優勝したとか、誰が誰より優るとか劣るという評価を禁じている。
 団体競技はビジネスでもスポーツでも、誰かのリードがある。リーダーの指導力がメンバーの実力に比例する。リーダーは、お山の大将ではいけない。チームの成績を上げ能力向上を図りながら、リーダー自身も成長するものと語った。
 【四、賞金は結果】先ずは、リーダーの要求するものを獲得することが目標だ。試合が終了すると敢闘賞や技術賞が一部選手に渡される。賞金を半分取り上げ、残りの全員に分配する。全員の一致団結の協力があって獲得できた賞金だから、独り占めは誤りだという。
 【五、自然体】試合に臨めば、どんな名選手でも緊張する。試合に臨む前の気構えが大切。名選手は、その気構えを心得ているので実力を発揮できる。試合の勝利者には、試合に臨む前に勝利者の気構えがある。この勝算が、試合を有利に運ぶ。勝者と敗者は、緊張への対処が異なる。
 【六、ここ一番】一球ごとに全力投球し、これが決定打だという意気込みで勝負する。これは茶会の心得一期一会と同じ。一回一回のチャンスを大切にする。東京がだめなら、大阪はない。試合は最後の最後まで、あきらめないことだ。