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希望の家が新事務所=新事業できる〃環境〃に

8月21日(木)

 希望の家福祉協会(木多喜八郎理事長)はサンパウロ市ヴィラ・マリアーナ区ドミンゴデ・モライス街一七二二番に事務所を移転、報道関係者を集めてのお披露目が十四日午後三時から同事務所で開かれた。
 新拠点は鉄筋二階建てで敷地面積四百二十平方メートル。協会所有の不動産の売却や故・市川幸子さん(創立者)の特別寄付などで土地・家屋(三十五万レアル)を購入、改築した。地下鉄ヴィラ・マリアーナ駅から徒歩で五分の距離にある。
 旧事務所は手狭で日常業務やボランティア活動に不自由していた。新事務所には会議室をはじめ、事務室、理事長室、作業室などが揃う。玄関ホールでは入所者が作製した石鹸やタオルなどを販売する。
 木多理事長は「新事業を立ちあげることも可能になった。音楽療法の場に活用するなど入所者の治療を優先させていきたい」と意気込む。
 一人当たりの月額経費は平均、千二百レアル。だが、入所者のほとんどが二百五十レアル~三百レアルしか支払えない状態で毎月八百レアル~九百レアルを協会が負担している。しかし、寄付に頼っての運営だと不安定で赤字が増えてしまう。
 経営改善のため里親制度を検討中だ。これは民間企業が保護者役になり、入居費の支払いを援助するというもの。社会福祉士の同伴で入所者企業を訪問させれば、社会復帰の手助けになるとの狙いもある。日系、非日系に関わらず広く協力を求めていく考えだ。