8月22日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十一日】中央銀行の通貨審議会(COPOM)は二十日、基本金利(SELIC)を二四・五%から二二%へ引き下げを行うと決定した。一挙に二・五%の引き下げは、予想外のこと。COPOMは、今年上半期に取り組んだインフレ抑制が前向きな成果を得たことによる措置とした。金融市場は予測以上の金融緩和に好感し外債証券は上げ、株価指数は二・一八%上げ、カントリー・リスクは、二・一八%下げた。
通貨審議会の二・五%基本金利引き下げは、段階的小刻み引き下げを予想していた金融市場に少なからぬ驚がくを与えた。産業界は、前向きな対処として歓迎ムードに覆われた。保守的な中銀がこれまで、市場の予測以上の金利引き下げに踏み切ったことはなかった。
目標インフレ率への達成努力は功を奏しつつあることが確認されたとして、段階的引き下げから一挙に引き下げへ踏み切ったと、通貨審議会は発表した。市場は一挙引き下げが、まだ段階的に続くとみている。インフレは沈静したが、産業界は冷えきった。一挙引き下げの効果が表れるのは、移行期を入れて年末か二〇〇四年初期とみている。
市中銀行は、一斉に金利引き下げ攻勢に入った。大手行のブラデスコは月で〇・二%下げを、連邦カイシャ・エコノミカは〇・一四%下げ月利で二・六一%へ即日実施を発表。サンタンデル、HSBC、レアルは九月一日から実施を発表。イタウ、ウニバンコも一両日に実施と発表した。
これまでの銀行与信は、旧債務の決済が多く消費回復につながるものが少なかった。これからは景気回復につながる融資が、増えるものと金融企業は期待。
小口金融企業も、金利引き下げを検討中だ。ZOGBIは、月〇・一五%から〇・二五%の引き下げを予定している。法人向け金融は、年で二・五%引き下げ。自動車の購入融資は月二・五五%から二・八九%の予定としている。金融業協会(ANEFAC)は、SELICと末端消費者の支払い金利差が、一六〇%から六〇〇%と、まだ大きいことを懸念している。
カーザ・バイアとアラプアンは二十日、SELIC引き下げに伴い家電のローン利率引き下げを発表した。カーザ・バイアは一年のローンで月利六・九%から五・九%へ下げ、一年以内の場合月利四・五%から三・五%へ下げるという。アラプアンのクレジット・カードは、月利を二・九九%から〇・九九%へ下げる。
二十日の先物証券市場(BM&F)は、予想外の活気で沸き返った。二〇〇四年八月の金利先物は、一日当たり取引が十万契約を出ることはなかったが、二十日は十六万契約へ達した。二〇〇四年四月契約が二〇・七九%から二〇・〇九%へ下げ、COPOMの二・五%下げは大きく反響した。