8月22日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十一日】サンパウロ州クンビッカ空港で一九八七年、麻薬密売人から押収した偽造紙幣十八億五千万ドルをサンパウロ州監察局判事が、サンパウロ州麻薬捜査課(DENARC)へおとり捜査で使用のために貸与した。
同監察局は最近、DENARCに同偽造紙幣を返還するように要請したが、そのうち六十一万四千ドルの不足が発覚した。不足分の偽造紙幣は、公的機関の関係者によって市中へ流通させたものとみられる。
通告電話により偽造紙幣は、ベネズエラ人エドゥアルド・ガルシア容疑者の二重底スーツ・ケースから発見された。監察局(DIPO)のフランシスコ・G・ブルノ前判事は麻薬捜査のためにDENARCへの偽造紙幣貸与を許可した。同容疑者の麻薬取引関与は連邦裁判所の管轄であり、証拠物件の貸与はDIPOの権限外の行為であった。
DENARCのイヴァニ・S・カイレス現課長は、サンパウロ州財務局元課長のフランシスコ・P・パシェッコ容疑者が四十二万ドルを着服したと告発した。元課長は一九九五年、公金横領容疑で有罪判決を受けたが、目下逃走中。九万ドルは取り込み中に紛失したという。
貸与された偽造紙幣の使用では、数十人の麻薬捜査官が関与している。全員が紙幣を係官に返還したと証言しているが、受領証も返還証も保管していない。係官は更迭され、現在は消息不明となっている。また時間も経過しているので、検証は困難とみられる。