8月22日(金)
日本政府はこのたび、SABESP(サンパウロ州水道局)が実施するサンパウロ州沿岸部衛生事業に対し、約二百十六億円を限度とする円借款協力を行うことを決定、二十日午後ブラジリアの外務省で池田維ブラジル大使とセルソ・アモリン外相の間で書簡が交換された。
これには来伯中の茂木敏充外務副大臣が同席した。日本政府による対ブラジルへの円借款は二〇〇〇年七月以来。供与は国際協力銀行を通して行われ、金利が年一・八パーセント、償還期間は二十五年と定められている。
事業はバイシャーダ・サンチスタ地方の下水処理整備を図り、環境モニタリング・システムを導入。未遂処理汚水の流入から生じる海洋汚染をくい止めることを目的としている。
対ブラジル経済協力は日本が高度成長期を迎えた七〇年代から盛んになり始め、特にセラード開発に多額の円借款が行われたことが知られる。最近では三年前、北東伯地域の上下水道整備などに関する事業五件に対し総額四百六十二億円が供与された。
ブラジル大使館によると、有償資金協力は今案件を含め累計で三千二百六十億円以上に上るという。今後はパンタナール周辺の排水処理事業への支援がすでに約束されている。
二〇〇〇年ベースの二国間経済協力において日本はブラジルにとって最大の支援国。次いでドイツ、オランダ、イギリス、スペインが順に続く。