民間健保の特典取り消し＝入院は期限付きに＝60歳以上の料金調整も可能

8月23日（土）

　【アゴーラ紙、エスタード・デ・サンパウロ紙二十二日】最高連邦裁判所（ＳＴＦ）は二十一日、民間健康保険法（法律九六五六号）の一部を取り消す予備判決を下した。
　取り消されたのは同法律の三五―Ｅ条で、一九九八年十二月から九九年十二月までに民間健康保険に入会した人に特典を与えるもの。特典は次の通り。
　（１）契約で定められている最高入院期間を過ぎても、患者の入院を無期限で続けさせる。
　（２）六十歳以上の入会者の毎月の保険料を、保健庁（ＡＮＳ）の許可なしで調整することを禁じる。
　（３）個人あるいは家族の健康保険契約を、保険会社側が一方的に停止または解約することを禁じる。
　（４）健康保険基本プランの入会者に、集中治療室（ＩＴＵ）のような高度な医療サービスを提供する必要がある。
　この特典を受けている人は、全国で民間健康保険に入会している三千五百万人の六〇％から七〇％に及ぶ。
　この法律は九八年六月三日に発効した。同法の特典は、それ以前の九八年十二月から九九年十二月に入会した場合にかかるので、「法律発効時より前の既存の契約に、遡及的に特典を与えるのは不可能である」と最高裁裁判官らは全員、特典の取り消しに合意した。
　民間健康保険法に関する訴訟を起したのは、民間健康保険会社の代表団体である全国保健機関連盟（ＣＮＳ）。ＣＮＳは、同法が違憲であると主張していた。
　裁判が始まったのは九九年十月だったが、ネウソン・ジョビン裁判官の閲覧出願により判決が延期されていた。同裁判官自身が二十一日、十一人の裁判官で形成される最高裁法廷にこの件の裁判を再開するよう呼びかけた。
　下院は同日、高齢者憲章案を可決した。同憲章案では、民間健康保険料の金額を年齢別に変えることを禁止している。民間健康保険は通常、高齢者ほど保険料が高いためである。エスタード紙は、「最高裁の予備判決（２のケース）と高齢者憲章の内容が矛盾している」と指摘している。