8月23日(土)
【エポカ誌】ブラジルでは、各大学が入試に出題する文学作品を義務読書リストとして発表する。通常、マシャード・デ・アシスの『ドン・カスムーロ』、マーリオ・デ・アンドラーデの『マクナイーマ』などの古典が主に出題される。ジョルジェ・アマードの『カピトンエス・ダ・アレイア』、クラリッセ・リンスペクトルの『ア・オーラ・ダ・エストレーラ』などの現代文学作品も出る。大学や受験の年によって出題作品は変わる。だが、最近の受験では本だけではなく、映画作品も〃義務鑑賞リスト〃に入れる大学も出てきた。
映画の〃義務鑑賞リスト〃は、教育省や映画評論家も良い目で見ている。「大学が、映画も文学と同じく重要なものだと評価している。非常にいいことだ」と、映画評論家のエドゥアルド・ヴァレンテ氏は歓迎している。
教育者によると、映画を出題内容に取り入れることによって、受験生の理解力や新しいものの見方などを測ることができる。教育省高等教育局のジョルジェ・グレゴリ氏は、「自分の知識を試験で機械のように書き出していくのではなく、受験生を総合的な面で分析する大学が増えている」と指摘している。
ミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテ市のニュートン・パイヴァ大学センターが2年前に始めた映画鑑賞の義務化は、現在ではバイア連邦大学(UFBA)、サンパウロのカスペル・リーベロ大学でも採用されている。
カスペル・リーベロ大学では、コミュニケーション学部の受験で生物学、物理学、化学の試験をなくし、代わりに5本の映画を〃義務鑑賞リスト〃に入れた。「映画は現代文明の産物であり、若者たちの知識に取り入れるべきもの」と、同大学受験指導役のシジネイ・レイテ氏は説明する。
UFBAの〃義務鑑賞リスト〃の作品をいくつか紹介する。(映画名、監督名)▼『オ・アウト・ダ・コンパデシーダ』ゲル・アラーエス▼『カルロッタ・ジョアキーナ、ア・プリンセーザ・ド・ブラジル』カルラ・カムラッチ▼『イル・ポスティーノ』マイケル・ラドフォード▼『セントラル・ド・ブラジル』ヴァウテル・サーレス▼『どですかでん』黒澤明▼『A.I.』スティーヴン・スピルバーグ。