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文協 収入増で赤字削減=理事会で経理報告=口座を統合、投資信託へ=定款見直しも議題に

8月23日(土)

 ブラジル日本文化協会(上原幸啓会長)は第三百四十四回理事会を二十一日午後六時半から、文協ビル会議室で開いた。二十九人の理事が出席した。前回の理事会や六回の理事会議事録の承認、日本移民百周年やINSS問題、文協が所有する銀行口座の総合化などが議題に挙がった。今年度七月の経理報告なども行われた。地方理事たちとの意見交換など活発な議論が交わされた。

 理事会開会に先立ち、十五日に逝去した安立仙一前事務局長に対して、一分間の黙祷が行われた。
 上原会長のあいさつの後、岩水マリオ専任理事の司会によって会議は進行された。まず、五月に開かれた前回の理事会と六回にわたって開かれた常任理事会の議事録の承認が、満場一致で議決された。
 日本移民百周年祭について、法務委員会から定款及び内規の検討結果が報告された。九月に開催される海外日系人大会に出席するため、訪日する上原会長は「政府機関や関係諸団体、企業を表敬訪問し、百周年に向けて活動を行っていく」と話した。
 伝田英二副会長は、現在三十近くある文協口座の統合化を図ることを発表、「〇四年度の事業計画と予算案の作成は、今年度から小委員会の委員長を中心とした会議で行う」ことを呼びかけた。なお、八月から文協会計を外部委託していることも確認した。
 続けて、INSS(国立社会保険院)問題についても言及。文協内の日本語学校と史料館の雇用不備により、INSSから課せられていた追従金十二万四千レアルについて「(文協所有の)サンロッケの土地が連邦裁判所に七月末、抵当として認められた」ことを報告した。
 渡部和夫文協改革委員長は、文協新定款の検討について、今年一月から改正された民法に基づく定款の見直しの必要性を強調。
 現在、法務委員会で検討されている新定款をモデルとして、地方文協にも伝えていく考えを示した。
 河内マサミツ会計理事は〇三年七月までの経理報告を行った。会費収入がある三月を除いて、赤字が続いていることを挙げつつも、収支が三万一千九百七レアル減(昨年度は七万一千五百七十レアル減)に止まったことを強調した。
 伝田副会長によれば、利子の少ない普通口座の預金を、投資信託に移行したことにより発生した財務収益金十一万九千レアル(昨年は五万二千レアル)によるところが大きいと説明している。なお、施設使用費などの収入や経費削減の効果もあるようだ。
 最後にドラードスやサンジョゼー・ド・リオ・プレットなどから出席した地方理事たちが、所属する文協の活動などを発表、意見交換も行われた。
 上原会長は閉会の言葉として「文協の活動をともに盛り上げ、百周年に向けて協力、前進していこう」と力強く呼びかけた。