8月26日(火)
【既報関連=フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十五日】ルイス・ベヴィラックァ宇宙庁(AEB)総裁とサンジョゼ・ドス・カンポス市のエマヌエル・フェルナンデス市長は二十四日、アウカンタラ宇宙基地で二十二日起きた事故の犠牲となった二十一人の技師に軍栄誉章の授与式を行うことを発表した。その後、遺体は遺族に引き渡され埋葬される。事故現場は一時立ち入りを禁じたが、安全が確認され次第、原因究明のための調査が行われる。
宇宙衛星VLS1の発射装置の設置現場には事故当時、百十人の技師が就労していた。そのうち百人はサンジョゼ・ドス・カンポス宇宙センター(CTA)から派遣された技師であった。死亡した二十一人のうち十一人は、ブラジルでは第一級の宇宙工学の技師であり尊い人材を失った。
今回の発射は、三回目の挑戦であった。爆発が起きた可能性がある箇所は、固体燃料を装てんしている第一カプセルか第二カプセルとみられている。これは一九九七年と九九年の第一、二回目の発射でも問題視された部分だ。
CTAと国立宇宙院(INPE)、軍部はアントニオ・C・セリCTA大佐を中心に事故調査委員会を結成し、三十日以内に結論を出すことになった。事故の様子を撮影したヴィデオ・テープからの割り出しで調査は始められた。
四十一トンの固体燃料が連鎖爆発して、二十五日予定の発射準備を進めていた技師二十一人の生命を奪った。前二回の失敗は、宇宙飛行中に起き犠牲者を出すには至らなかった。調査委員会では三回の失敗が共通して点火装置から起きたことで、原因は構造的問題ではなく技術的問題とした。
米国では、チャレンジャーとコロンビアの事故で十四人の宇宙飛行士を失った。外国では宇宙事故で犠牲者を出した場合は、外部のメンバーも含めて職務怠慢や安全確認も捜査する調査委員会を結成する。米政府は単なる欠陥修正にとどまらず、国威の象徴につながるとして予算を追加し安全対策に慎重を期する。
ジョゼ・ヴィエガス国防相は二十四日、政府はアウカンタラ宇宙基地の事故について、何ら事実を隠す意図がないことを表明した。事故現場の安全性が確認され次第、報道陣の立ち入りを許可するとした。二十二日のPT議員夕食会に出席したルーラ大統領は、宇宙基地事故の報告がないことで不審の意を表した。
事故当時、現場は即時立ち入り禁止とされ連鎖事故のないことを確認してから、一部関係者のみが現場検証に入った。それでも残骸から五十メートル離れての検証であった。事故の被害は爆発ではなく三千度以下の火勢であったとされ、発射塔は溶解したという。犠牲者の遺体は、歯型とDNA(遺伝子)で身元確認を行う。