ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 深刻な大サンパウロ市圏の雨不足=サンパウロ市の湿度、過去最低=光化学スモッグ被害も

深刻な大サンパウロ市圏の雨不足=サンパウロ市の湿度、過去最低=光化学スモッグ被害も

8月26日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十三日】サンパウロ市(サンパウロ市)は二十二日午後、今冬の最高気温三十・六度を記録した。同日の相対湿度は今年の最低値となり、サンパウロ州(サンパウロ州)防災庁は乾燥注意報を発表。午前十時から午後四時まで、炎天下での運動や日光浴を避けるよう呼びかけた。
 市内の一部では、相対湿度一五%と非常に低い数値を観測。サンパウロ市での過去の八月の最高気温は、一九五五年の三十三・一度。過去の最低相対湿度は、一九九九年の一五%だった。
 カンタレイラ山脈など、緑の豊かな場所も相対湿度が大幅に下がり、気象観測所(Inmet)は相対湿度一七%を記録している。
 サンパウロ州環境局は同日、大サンパウロ市圏ジアデーマ市とマウアー市に光化学スモッグ注意報を発表した。車の排気ガスなどが大気に混じり、強烈な太陽光線の照射を受けて化学反応を起こし、オゾンなどの光化学オキシダントが発生する。風が弱い時などはその濃度が高くなり、光化学スモッグが発生しやすくなる。
 公害や湿度の低下によって多くの人々が、目が痛い、のどが乾いてひりひりする、鼻血が出る、元気が出ないなどの症状を訴えた。
 一般的に、人間にとって快適で、健康的な相対湿度域は四〇~七〇%とされている。湿度が一二~二〇%になった場合は、屋外で午前十時~午後四時までの運動、仕事を取りやめ、人が密集する場所を避ける。一二%以下は、ゴミの収集や郵便配達も禁止。授業も中止しなければならない。水を入れたバケツなどを部屋に置くなどして湿度を保ち、植物に頻繁に水をやるようにする。
 湿度低下の原因の一つは雨不足。二十五日に小雨が降った程度で、大サンパウロ市圏の貯水湖の水位は一向に上がらないままだ。
 コチーア市、エンブー市、エンブー=グアスー市、イタペセリッカ・ダ・セーラ市などに配水するアウト・コチーア貯水ダムの水位は二十二日、総水量の二六・一%。二〇〇一年四月の断水がしばしば起きた時の水位は二八%だった。
 サンパウロ市へ配水するカンタレイラ貯水ダムの水位は総水量の二一・七%。同地域では、八月一日から二十二日までの降雨量が七・五ミリと非常に少ない。通常、八月の平均降雨量は四十・六ミリで、ダムの管理者らは心配している。