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病気治す信仰、宗教的実践=医療現場で力発揮

8月26日(火)

 【ジアーリオ紙系ジャー誌】ますます多くの医師が、宗教信仰が医療現場に日々発生する緊張を減らすだけでなく、病気の治療にも応用できることを認めつつある。どんな宗教であれ、医療における宗教の力からもはや目をそらすことはできないと医師たちは発言する。
 しかし、彼らは心霊医療に全面的に賛成なのではなく、その逆に現在の医療を例えば、まじない治療に置き換えることは全員が反対する。宗教信奉者に共感する点は、人間を一つの統一体として見るべきだという考え方である。
 米国で行われたこのテーマについての研究で、宗教儀礼に参加しなくても、何か信仰を持つ人はうつ病の問題に悩まず、アルコールや薬物の使用が少なく、血圧が改善されることが確認された。特に心臓疾患やがんを患う人の状態が改善されたという。
 サンパウロ市クリニカ病院の宗教・心霊問題研究センターのロトゥーフォ医師によると、宗教的実践には健康に良い影響を与える三十以上の働きがあり、主なものは生活習慣、社会支援、めい想だという。祈る行為も精神面に良い効果がある。信仰を持つ人は不安感といった心理的障害に苦しむことも少ない。
 アルコールや薬物依存症、喫煙、栄養の偏りなど、今日多くの健康問題は生活態度に起因する。宗教心を抱くことは、医師たちが健康維持に触れる時にいつも注意を促す生活習慣の変更も意味する。
 しかし、多くの利点があるにもかかわらず、ロトゥーフォ医師は宗教が健康に否定的影響を及ぼしうると述べた。「特に重い病気の場合、多くの人が医学治療を捨て、奇跡的回復を求める」と述懐した。「信仰に反するという理由で治療を受けない人もいる」。
 十年前に仏教を信仰し始めたルイース医師は、信仰前は治療が完ぺきなのに患者に回復が見られないとき、訳もわからず悩んでいたと話した。患者は同医師の信仰を知らないが、そうした状況にもっと落ち着いて向き合えるようになった。
 サンパウロ総合大学のセグレ教授は、医学部はこうした医師の問題を取り上げる傾向にあるという。同教授は患者への医師の応対をもっと人間的なものにしたい考えで、医学は過度に技術的なものになり、医師と患者の関係の重要性を忘れてしまっていると述べた。