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アリが森を救う=土壌に栄養分を補給

8月26日(火)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙】ブラジル全国の草原に住むことで知られるハキリアリは、自然が破壊されたアマゾン地域の植生回復に役立つことがパラー州の研究グループにより確認された。
 ハキリアリは森林植物の葉の一二%から一七%を一年間に食べるが、地面に巨大な穴を開け、そこに有機物質を蓄え、重要な栄養分で土壌を肥やすことから、植生の回復に重要な役割を果たすとみられている。
 この種のアリは形成が始まったばかりの森林や伐採後に放置された牧草地に集中することに期待がかかっている。「森が一定の段階まで成長すると、環境が複雑になるため、アリの幼虫は死んでしまう」と 生物学者のモウニーニョ氏は説明する。
 研究チームはAtta sexdensという種のアリ(レモンアリとして知られる)と、植生との相関関係を調査した。その結果、地中深く(六メートルにも達する)掘り進むこの種のアリは土壌のすき間を増やして植物の根が地中に入りやすくするとともに、硝酸塩や、リンとカリウムから生成される栄養分を増やすことがわかった。アリの幼虫が近くにいる場所で、植物の根はアリのいない場所に比べると五十倍近くも成長し、幼虫が死ぬと成虫が葉を切ることがなくなるため、植物の成長にとってさらに利点があると言う。
 同氏によると、おそらく将来人間は森林再生を促進するためにアリをコントロールできるようになるだろうという。